技術士試験講座





(2016.06.05 更新)

技術士第二次試験講座 (2)筆記試験合格法

(本ページは総監以外の部門の筆記試験についてのみ記載しています。)

         総監の筆記試験は こちら こちら

         総監以外の部門の口頭試験は こちら


技術士試験総合技術監理部門キーワード事典2010年版

1. 筆記試験の重要性


 第二次試験の筆記試験の重要性については十分な認識が必要と思われます。
 口頭試験の合否判定においては筆記試験の得点は考慮されません。つまり、筆記試験を優秀な成績で合格しているか 60 % すれすれで合格しているかは、口頭試験の合否判定には何ら影響しません。
 しかし、口頭試験の合否判定を行う直前の段階つまり口頭試験実施の段階では必ずしもそうだとは言い切れないと思われます(口頭試験受験上の留意点については「技術士第二次試験講座 (3)口頭試験合格法」(以下、これを「第二次口頭」と称します。)を御覧ください。)。
 試験委員は筆記試験の得点を見て口頭試験を行います。もし記述式問題の得点が 60 % すれすれであったら、口頭試験を始める前に試験委員は「本当に実力があるのかな。ひょっとしたらまぐれで筆記に合格したのではないか。よく確かめてみよう。」と思うに違いありません。そのような得点の受験者についてそのようによく確認することは口頭試験の本旨から見ても大切なことですし、試験委員の心情としても当然です。そのため、60 % すれすれの場合は口頭試験での質問が勢い記述式問題の答案に見られる問題点の急所を突いた厳しいものとなる可能性が高いと思われます。これは、致し方ありません。
 一方、筆記試験の成績が優秀な受験者の場合は、口頭試験では試験委員もある意味で一目置いて質問するので、重箱の隅をつつくような質問が少なくなり口頭試験がかなり楽になります。「試験委員はただ解答を聞くだけであり解答内容に対する重ねての質問はなかった。」、「しっかり準備して行ったのに気抜けするような質問ばかりだった。」、「答案に関する質問も業務経歴に関する質問も殆どなかった。」などの受験感想を述べる方がかなりおられますが、そのような方は例外なく合格しておられます。そのような口頭試験になるのは、筆記試験の成績が優秀であるため口頭試験で確認しなければならない事項が特にないと試験委員が考えたからではないかと推測されます。
 つまり、口頭試験で合格、不合格のいずれとなるかの大勢は(あくまで「大勢は」ですが)口頭試験当日の受け答えによって決まるのではなく口頭試験前日までにほぼ決まっているものと推測されます。
 その意味で、筆記試験に対する充分な準備を行うことは、筆記試験に合格するためだけでなく、口頭試験に合格するためにもたいへんに重要であると思われます。

2. 記述式問題(I 必須科目、II 選択科目、III 選択科目)

2.1試験時間、答案用紙

2.1.1 試験時間
 試験時間は、I 必須科目が 2 時間、II 選択科目・III 選択科目が併せて 3 時間 30 分、計 5 時間 30 分です。
2.1.2 答案用紙
 記述式問題の答案用紙は、上端に受験番号、問題番号、技術部門、選択科目、専門とする事項を記入する欄があり、その下に 600 字(= 24 字/行× 25 行)記入できる解答文記入欄があります。問題ごとに、「答案用紙 2 枚以内にまとめよ。」、「問題ごとに答案用紙を替えること。」などの指示があるのでそれに合わせて記入します。

2.2記述式問題の書き方

2.2.1「課題解決能力」の意味
 選択科目のうちの「「選択科目」に関する課題解決能力」を問う問題(つまり、「技術士試験の概要」の 2 に言う「III 選択科目」の問題。問題用紙の 2 行目に「選択科目III」と書かれている問題。)(以下、これを「課題解決問題」と称します。)は、記述式で、600 字詰め用紙 3 枚以内(解答時間 2 時間)です。
 まず「「選択科目」に関する課題解決能力」とは何かということですが、「技術士試験の概要」の4 は「課題解決能力」の説明として次の 『 』 内のように述べています(「平成 25 年度技術士第二次試験の内容について」の項)。

『概念
○ 社会的なニーズや技術の進歩に伴い,最近注目されている変化や新たに直面する可能性のある課題に対する認識を持っており,多様な視点から検討を行い,論理的かつ合理的に解決策を策定できる能力
 内容
・「選択科目」に係わる社会的な変化・技術に関係する最新の状況や「選択科目」に共通する普遍的な問題を対象とし,これに対する課題等の抽出を行わせ,多様な視点からの分析によって実現可能な解決策の提示が行えるか等を問う内容とする。』

 上記をまとめると、課題解決能力とは、「選択科目」に係わる問題についての、課題等抽出、分析、解決策提示を行う能力と言えると思われます。
2.2.2 問題予測
 上記 2.2.1 により、課題解決問題については、次の (ア)〜(ウ) のような、具体的場面あるいは問題を提示しそれへの対応を問う問題が出題される可能性が高いのではないかと推測されます。
(ア) ○○という事故が今後懸念される。このうちの△△に関する部分について対策を述べよ。
(イ) ○○を管理するための管理基準のうち、△△に関する部分を立案せよ。
(ウ) ○○分野に組織として新規に取り組むこととなった。当該分野を担当する責任者としての立場から△△に関する実施方針を述べよ。
 あるいはこれらに過去の自分の経験を織り交ぜつつ述べるような問題も予測されます。
 そして、(ア)〜(ウ) の「○○」、「△△」の部分がかなり詳細、複雑に設定されるものと思われます。
2.2.3過去問題による練習
(1) 練習の必要性
実際の問題と答案作成の基本的技術を理解するためには過去問題による答案作成練習が欠かせません。「過去問題(第二次試験)」(公益社団法人日本技術士会)を用いて練習します。練習の眼目は下記の 2.2.42.2.18 と同様ですが、特に次の (2)〜(4) に留意します。
(2) 練習量の目安
過去問題と類似の問題が出題される可能性はまずないので、多くの問題について練習してもあまり意味がありません。せいぜい 2〜3 年分(つまり、2〜3 問)も練習すれば十分と思われます。
(3) 制限時間の厳守
試験会場では時間不足になる可能性が高いので、答案作成練習ではパソコンではなく手書きで書いて、かつ 2 時間という制限時間内で仕上げるようにします。5 時間も 10 時間もかけて完全な答案を書いても意味がありません。必ず、手書きで、2 時間という制限時間内で仕上げて、時間の割り振りのこつを会得します。
答案用紙のひな型をインターネット上に公開しておられるサイトがあり「技術士試験 答案用紙」などで検索するといくつかヒットするので、そのようなものを印刷して書くのがよいでしょう。
(4) 指の訓練
過去問題による練習をすると気づきますが、課題解決問題では 1 時間半程度の長時間に亘って全力で書き続けなければならずこれは日頃パソコンで全ての業務を行っている指にとっては経験したことのない重労働です。この重労働に耐えるためには指を鍛えておかなければなりません。分けても、親指、人差し指、中指の 3 つです。インターネットで「指 トレーニング」などで検索すると指を鍛えるための用具がいくつかヒットするのでそのようなものを用いるのがよいかもしれません。何らかの方法で指を鍛えておくことが望ましいと思われます。
2.2.4 時間配分
 課題解決問題の試験時間は 2 時間ですが、この 2 時間を、受験番号〜専門とする事項記入、問題文概読・解答する問題の決定、体裁指示・条件設定の確認、構想立案、執筆、査読、メモ作成に分けます。
 受験番号〜専門とする事項記入時間は、5 分程度でしょう。
 問題文概読・解答する問題の決定時間は、5 分程度でしょう。
 体裁指示・条件設定の確認時間は、10 分程度でしょう。
 構想立案時間は、20 分程度とします。論文の大枠はこの段階で決まるので、この段階は課題解決問題の成否を決する重要な時間です。構想は十分に練り上げます。
 執筆時間は、1 時間 10 分程度とし、上記の構想に従って文章を記述します。内容を考えながら書く速さは、通常、1 分間に 50 字程度ですので、1 時間 10 分で 50 字/分× 70 分= 3,500 字程度書くことが可能です。課題解決問題の文字数は 1,800 字ですので、1 時間 10 分という時間は、少しゆっくり書いてもあるいは僅かであれば書き直しがあっても十分な時間です。
 査読時間は、 5 分程度とします。
 メモ作成時間は、 5 分程度とします。
2.2.5 受験番号などの確実な記入
 答案用紙には受験番号、受験部門、選択科目、専門とする事項、問題番号を書く欄が指定されているので、試験が始まったら、何よりも前に、全ての答案用紙にこれらを記入します。これらのうちのどれか 1 つでも記入漏れがあると、採点の対象外かあるいはそれに近い処置になると推測されます。つまり、この 1 年間の努力は全て無駄になると推測されます。
 試験会場で最初にすることは、全ての答案用紙に受験番号などを記入することです。

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2.2.6 見たこともない問題への意気高い取り組み
 上記 2.2.2、(ア)〜(ウ) は一例であり、これら以外にも多くの問題が可能です。したがって、試験当日に試験会場で見る実際の問題は、予想を遙かに超えた見たこともない新しい問題である可能性が高いと思われます。しかし、そのような新しい問題には受験者のほぼ全員がそう感じているはずです。つまりスタートラインは皆同じです。そのような問題が出題されても慌てず騒がず、ここが腕の見せ所と意気高く取り組むことが大切と思われます。
2.2.7 体裁指示の遵守
(1) 明確な体裁指示
明確な体裁指示とは、例えば次の (ア)〜(エ) のような指示です。
(ア) 解答する設問番号を答案用紙に明記せよ。
(イ) 設問ごとに答案用紙を替えて解答せよ。
(ウ) 解答は答案用紙 3 枚以内にまとめよ。
(エ) 以下には A グループ、B グループの 2 つの問題グループがあるが、1 つの問題グループから少なくとも 1 問を選択して解答せよ。
上記 (ア)〜(エ) の例のうちには「「選択科目」に関する専門知識及び応用能力」を問う問題(2.1)のみにあって課題解決問題にはない指示もありますが、簡便のため、それらも含めてその全部について本項(2.2.7)で述べます。
明確な体裁指示は刺身の妻ではなく問題作成試験委員(以下、これを「出題者」と称します。)が採点に当たって必要不可欠と考えている事項であるため、このような体裁上の指示に 1 つでも反すると、おそらくですが、採点の対象外かあるいはそれに近い処置になる(つまり、不合格になる)と推測されるので、この種の指示には厳密に従わなければなりません。
文章を書き始めると書くことに気を取られて体裁上の指示があったことを忘れやすいので、文章を書き始める前に、明確な体裁指示に合致するように答案用紙に明確な体裁指示を記入します。例えば、(ア)〜(エ)のいずれの場合にも、答案用紙の全てに設問番号を記入します。どの問題に解答するかまだ決めてない場合は、後で記入しなければならないことを忘れないために、設問番号欄を薄く大きな丸で囲っておきます。(イ)、(ウ) であれば答案用紙の欄外に薄く大きな字で「問題 II-2 はここまで」などと記入します。この文字は答案提出前に消します。
また、 (ウ) のような「○枚以内」という枚数指示は文字どおりに「○枚以内であれば 1 枚、2 枚、...、○枚のどれでもよい。」という意味ではなく「○枚より少なくては合格はおぼつかないぞ。」という意味ですので、丁度「○枚」に仕上げます。
(2) 不明確な体裁指示
不明確な体裁指示とは、例えば次の (ア) のような指示です。
(ア) 解答の文章量の目安は、問題 (1) を答案用紙 1 枚程度、問題 (2) を同 2 枚程度とする。
上記 (ア) は、「目安」、「程度」としているので、不明確な体裁指示です。不明確な体裁指示は、これに少しでも反しただけで採点の対象外かあるいはそれに近い処置になることはありませんが、大幅に反すると採点の対象外かあるいはそれに近い処置になると推測されます。したがって、この指示にも厳密に従うのがよいと推測されます。例えば、上記 (ア) であれば、厳密に問題 (1) を 1 枚、問題 (2) を 2 枚で解答するのがよいと推測されます。
 体裁指示に外れると採点の対象外かあるいはそれに近い処置になる(つまり、不合格になる)と推測されます。この 1 年間の努力は全て無駄になります。くれぐれも注意が必要です。

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2.2.8 条件設定の遵守
 解答として記述することを出題者が期待する事項は上記 2.2.2、(ア)〜(ウ) の「○○」、「△△」の部分に全て記されています。この部分を、通常、条件設定と言います。
 条件設定は、実際の業務を行う場合に置き換えて見ると、例えば顧客のニーズであり、業務仕様書であり、上司からの指示です。そのようなものを正しく理解して、それに的確に応える能力を有しているかどうかを、出題者は条件設定を通じて見ているわけです。
 条件設定に外れたことを書くと採点の対象外かあるいはそれに近い処置になる(つまり、不合格になる)と推測されます。この 1 年間の努力は全て無駄になります。
 したがって、条件設定を繰り返して読み試験委員の意図するところを充分に把握しそれにぴったり合った解答を書かなければなりません。例えば、条件設定が「○○を 3 つあげ、それぞれの概要、必要性、留意点を述べよ。」であるのに対して、2 つあげて解答したり、「概要」、「必要性」、「留意点」という見出しを付けないで解答したりしてはいけません。
 条件設定を拾い出すために読むときに注意することは次の (ア)〜(オ) です。
(ア) 落ち着いて読む。
(イ) 2 回どおり読む。
(ウ) 飛ばさないで隅から隅まで読む。
(エ) 条件設定を表す文字列(箇所)に漏れなく印を付けながら読む。
(オ) 解答文として書くことは何か、自分の知識のうち使えるものは何かなどといった解答文の内容については何も考えないで、唯ただ、どこのどの文字列が条件設定であるかだけを考えて読む。
 くれぐれも注意が必要です。
2.2.9 構想立案
 上記 2.2.52.2.72.2.8 を終えて初めて構想立案に取りかかります。構想立案は、次の (ア)、(イ) により行います。
(ア) 解答論文の見出しを作る。
(イ) 見出しに入れるべき細部内容を簡単に箇条書きにする。
 上記 (ア)、(イ) は問題用紙の余白部分を利用して行います。(ア)、(イ) を終えたら、それを文章化した場合の論旨の流れを思い描いて、論旨展開は妥当か、指示されている字数制限に収まりそうかなどを確認します。
 上記 (ア)、(イ) が完了したらすぐ書きたくなりますが、ここで忘れないように、次の (i) をします。
(i) 上記 (ア)、(イ) で作成した見出し、箇条書きで条件設定に正確に合致しているかどうかを確認する。
 この確認は、作成した見出し、箇条書きが 2.2.8、(エ) で付けた印に合致しているかどうかを、問題文の先頭から末尾まで、印 1 個ごとに、もれなく全部、確認していくことにより行います。
 条件設定に反していることに解答文を書き始めた後で気づいた場合は書き直さざるを得ませんが、大きく書き直した場合は時間不足となり解答文を完成することができません。最後まで気づかずそのまま答案を提出した場合は採点の対象外となります。(i) はこの 1 年間の努力が無駄にならないようにするための最後の機会です。よく確認します。
2.2.10 全項目の記述
 答案として書くべき項目を仮に 10 個思いついたとして、そのうちの重要でない 4 項目を省いて重要な 6 項目だけを書いたりすると、自分では自信があってもその 6 項目が試験委員の考える重要項目ではない可能性もあります。あるいは、試験委員は重要項目だけでなく全ての項目を書くことを求めているかもしれません。また、数多く書き過ぎたがための減点はありません。
 したがって、答案に書く項目数については、問題文中にそれを制限する指示がない限り、およそ考え得る限り多方面かつ多数の項目について記すのがよいと思われます。技術的項目は勿論、一般社会常識的に必要な事柄、地域社会・関係機関・マスコミなどへの対応、情報セキュリティ、補償、ビジネスコンプライアンス、テレビで時々見かけるみっともない出来事の二の舞をしないための方策、などなど、およそ考え得るありとあらゆることについて記します。失敗しないための安全策です。
 これと異なり、些細かつ担当者の判断に任された事項については、その正当性を主張する必要性は低いと思われます。
2.2.11 指示されていない事項の記述の回避
 指示されていない事項を書くと指示された事項を書くための文章量が圧迫され全体として説明不足で迫力のない文章となるので、これは書かない方がよいと思われます。例えば、「その他の事項について」のような項目は、書くようにとの指示がない限り、又はそれが論文の構成上不可欠でない限り、書かない方がよいと思われます。もし書いても、試験委員は「余計な記述だ。邪魔だな。」と思ってその部分を無視するのが関の山でしょう。
 「はじめに」や「終わりに」のような項目も、ほぼ同様と思われます。
2.2.12 適当に決めざるを得ない事項の正当性の明示
 課題解決問題の答案(以下、これを「課題解決問題答案」と称します。)においては、適当に決めざるを得ない事項がよくあります。例えば、のり面の勾配をいくらに設計するかは、重要な事項ではありますが、現地の特性を十分に考慮しなければならないため担当者に任される面が少なくありません。このような場合に担当者に任されているからと指針や共通仕様書に示される範囲内ではあっても如何にも好き勝手に決めたような書き方をすると、試験委員は「そんなことなら技術士でなくてもできる。」と思うと思われます。したがって、重要かつ担当者の判断に任された事項を見落とさないようにして、そのような事項については、できるだけデータ、根拠を示して自分の判断の正当性を示すことが大切です。文字数の制限などのため十分に示すことができない場合は、例えば「やや値的には小さいが」とさらりと触れるなどにより値の妥当性については十分に考察済みであることを示すなどします。
2.2.13 反論に対する反論の明示
 一般に課題解決問題答案は専門、経験、興味の中心などの相違などにより、ある人がよいと思うものでも他の人は問題が多いと思うことがよくあるものです。また、試験委員は全ての分野についての専門家ではないので、ある特定の分野については受験者の方が遙かに知識が豊富で判断も正確であるという場合も時に生じます。そのため、課題解決問題答案を書くと、自信を持って書いた答案でも試験委員はそれに疑問つまり反論を抱く可能性が充分にあります。このような反論は答案の中で最も斬新で画期的な内容の箇所あるいは最も重要で根幹を成す内容の箇所などに対して示されることが多く、その場合は命取りになる可能性もあると思われます。
 試験委員がそのような疑問つまり反論を抱いたとき、もしその反論に対する反論が既に答案の中に書いてあれば、試験委員は少なくとも「その当否は別として、答案内容の客観的妥当性についても一応の検討はなされている。」と思い、余程のことがない限りその疑問を理由に不合格にすることはないと思われます。また、口頭試験でその点について尋ねる場合でも、穏やかな尋ね方になると思われます。
 しかし、もし反論に対する反論が書いてなければ、試験委員はその課題解決問題答案に疑問を持った場合、「こんな荒唐無稽な提案をするとは論外。不合格。」と思うか、仮に「一応合格。」と思った場合でも「口頭試験で徹底的に尋ねよう。」と思うに違いありません。前者であれば万事休すですし、後者であっても口頭試験で大きな負担を背負うこととなります。
 したがって、反論に対する反論は筆記試験を合格点で通過するためだけでなく口頭試験で厳しい質問責めに遭わないためにも大切なので、もし試験委員が自分と反対の信念を持っている人だったら、もし試験委員がこの問題に関して自分ほどの専門家でなかったらなど様々な場合を想定して、試験委員が答案を読んだ場合にどの点について疑問を持ち反論してくるかを推測し、見極め、その反論に対する反論を答案の中に入れ込んでおくことが重要と思われます。
 ただ、反論に対する反論はあくまで試験委員を論破するためのものではなくそのような点にまで気配りしていることを明示するためのものなので、長々と書く必要はなく、「○○という考え方もあるものの」、「○○についても十分検討したうえで」、「経費的には○円ほど高くなったが」など、極く簡単な文言でよいと思われます。
2.2.14 末尾空白行
 上記 2.2.7、 (1)、(ウ) のような「解答は答案用紙○枚以内にまとめよ。」の指示がある場合は、通常は、視認性向上のために設ける空白以外は、この「○」が 1 である場合は 1 枚目の答案用紙の最後の半行程度を、「○」が 2 又は 3 である場合は最後の答案用紙の最後の 1 行程度を、それぞれ空白行にする以外は全ての用紙、全ての行を埋めるのが最良です。最後の半行又は 1 行程度を空白行にするのは、(i)書こうと思えばまだいくらでも詳しく書く力量、(ii)余裕を持って記述を打ち切る力量の両方を有していることを示すためです。もちろん、最後の半行又は 1 行程度を空白行にすることは明らかに小手先の小細工ですのでこれに拘る必要は全くありませんが、そのようにできれば最良と思われます。
2.2.15「以上」の記入
 解答文の末尾には、そこまでで解答論文が終わりであることを示すために、「以上」の 2 文字を記入します。例えば、「設問ごとに答案用紙を替えて解答せよ。」という体裁指示の問題の解答であれば、各答案用紙の解答文の末尾行の末尾(つまり、末尾行の右端) 2 ますに「以上」と記入します。これを記入しておくと印象がよいので若干の加点が期待できます。

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2.2.16 査読
 解答論文を書き上げたら査読をして、見出しの修正、必要箇所への強調の加筆、用語・言い回しの統一、誤字脱字の修正などをします。
2.2.17 メモ作成
 「第二次口頭」の 4.1 に示すように筆記試験終了後に口頭試験に備えて課題解決問題答案を復元する必要があるので、筆記試験会場で 5 分程度の時間を確保し、少なくとも課題解決問題答案の目次構成と答案において記述した主要な数値程度を、できれば論文の要旨も、問題用紙の裏などにメモして控えておくことが大切と思われます(口頭試験の内容と受験上の留意点については 「第二次口頭」 を御覧ください。)。
 また、筆記試験終了合図が行われるよりも前に試験会場を退室すると問題用紙を持ち帰ることができないので、試験終了合図があった後に退室するのがよいと思われます。
 なお、2.1 では述べていませんが、専門応用問題(600 字詰め用紙、4 枚以内。)についても同様にメモを作成するのがよいと思われます。
2.2.18 受験番号などの確認
 上記 2.2.5 2.2.7 により答案用紙には受験番号などが漏れなく記入されているはずですが、もしどれか 1 つでも記入漏れがあるとこの 1 年間の努力は全て無駄になると推測されるので、記入漏れのないようにしなければなりません。
 試験会場で最後にすることは、全ての答案用紙に受験番号などが正しく記入されていることを確認することです。
2.2.19 真の実力養成のために
 上記 2.2.12.2.18 のような比較的短時間で高得点を得るための勉強方法とはかけ離れますが、技術士受験を機に真の論文作成能力向上も併せて図りたいと思う場合は、業務報告書、課題解決問題練習答案など自分が様々な場面で書いた文章を読み直して、論旨に矛盾はないか、文に紛らわしさはないか、結論の妥当性を訴える気迫は十分伝わるかなどを自分で点検、改善する訓練を日常的に行うことが何より有効と思われます。読み直す場合は、その文章を書いた直後ではなく少なくとも 1 日、できれば 1 週間程度以上経ってから読み直すこと、その文章を書いた著者(つまり、自分)の気持ちではなく他人が書いた文章を一字一句点検する気持ちで読むことなどが大切と思われます。この勉強法の長所は、自分が努力を続ける限り論文作成能力を無限に向上させることができることです。限界がないことです。
 論文作成方法を解説した書籍を読むのもよいかもしれません。そのような書籍には、「論文では起承転結を明確に示せ」のような大所高所の指摘から「「こと」を、漢字で「事」と書く場合と平仮名で「こと」と書く場合とを明確に区別せよ」のような気の遠くなるような細かい指摘まで、通常、雑多に並んでいますが、感覚的に自分に最もぴったり来る指摘から順に訓練して最終的にその書籍全体をものにしていくのが近道と思われます。
 また、論文作成能力は技術業務の経験にも依るので、論文作成能力向上のためには技術業務の経験をできるだけ多く、深く積むことも欠かせないと思われます。
 このような努力は短時間では目に見える成果が出ませんが、常にそのようなことに気をつけて業務に取り組み文章を書いていれば確実に実力が向上すると思われます。

2.3 べからず(NG)3 項目とその回避

 記述式問題では次の (1)〜(3) の行為は厳禁です。このうちのどれか 1 つでも行うとまず間違いなく不合格になると推測されます。
(1) 受験部門、設問番号等を書き忘れること
 これについては 2.2.5 を御覧ください。
(2) 体裁指示に違反すること
 これについては 2.2.7 を御覧ください。
(3) 条件設定に違反すること
 これについては 2.2.8 を御覧ください。

3. 口頭試験受験上の留意点


  筆記試験については以上のとおりですが、口頭試験受験上の留意点については 「第二次口頭」 を御覧ください。


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