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(2016.06.05 更新) 総合技術監理部門 (3)記述式問題論文の書き方総監以外の筆記試験は こちら総監の口頭試験は こちら1. 記述式問題1.1 問題予測「技術士試験の概要」の 2 は、記述式問題においては「「総合技術監理部門」 に関する課題解決能力及び応用能力」を問うとしています(2、(1) の項)。「課題解決能力及び応用能力」という表現が漠然としていますが、次の (ア)〜(ウ) のような、場面、課題などを想定しそれへの対応を問う問題が出題されるのではないかと推測されます。(ア) ○○という事故が今後懸念される。このうちの△△に関する部分について、総合技術監理の視点から対策を述べよ。
(イ) ○○を管理するための管理基準のうち、△△に関する部分を総合技術監理の視点から立案せよ。
(ウ) ○○分野に組織として新規に取り組むこととなった。当該分野を担当する責任者としての立場から△△に関する実施方針を総合技術監理の視点から述べよ。
あるいはこれらに過去の自分の経験を織り交ぜつつ述べるような問題も予測されます。1.2 条件設定が複雑な理由総合技術監理部門(以下、これを「総監」と称します。)の記述式問題では 1.1 の「○○」、「△△」、「総合技術監理の視点」の計 3 箇所(以下、これを「条件設定」と称します。)が実に微に入り細をうがち、複雑を極めます。つまり、条件設定に合致した解答を書くのは容易ではありません。このように複雑を極める理由は、推測の域を出ませんが、次のようではないかと思われます。総監が発足してかなりの期間が経過しましたが、近年の総監の合格率は 10 % 強でありこの程度を維持することが総監の性格から見て妥当となってきたようです。したがって、総監では受験者のうちの優秀者上位 10 % 強を正確に選び出す必要があります。「技術士試験の概要」の 3 によると択一式問題と記述式問題の合計で 60 % 以上(つまり、60 点以上)が合格となっており、択一式問題では多くの方が正解率 60 %〜80 % 程度のようですので、仮に 70 %(つまり、50 点満点で 35 点)とすると、この 35 点は固定された変更することができない値ですので、残りの 25 点(=60点−35点)で実質的な合否判定をしなければなりません。つまり、上位 10 % 強を正確に選び出したいにも関わらず、単純平均で 1 点当たりに 4 %(=1点÷25点×100)という極めて多くの方が存在するわけです。しかも、多くの方は合否すれすれ付近であると思われますので、この付近の 1点当たりには単純平均より遙かに多くの方が存在します。また、択一式問題の正解率が上がれば上がるほど 1 点当たりの人数は多くなります。 したがって、優秀者上位 10 % 強を正確に抽出するためには合否すれすれ付近の 1 点当たりの人数を少なくすることがどうしても必要ですが、そのためには問題の難度を上げるしかありません。もちろん、問題の難度を上げることは優秀な技術者を総監の合格者とするという総監本来の目的にもよく合致している訳です。 このような理由によって総監の条件設定は複雑を極めていると推測されます。したがって、総監の記述式問題は条件設定との戦いであり、合格するためにはこの難題に打ち勝たなくてはならないと思われます。 1.3 条件設定への対応策1.3.1「総監の技術体系」の理解条件設定を満たす答案を書くためには、当然ですが、総監の実質上の公式テキストである「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系(第 2 版)」(公益社団法人日本技術士会、2004)の 2010 年 2 月付訂正版(以下、これを「総監の技術体系」と称します。その表紙が青色であることから「青本」と呼ばれている書籍です。)をよく理解していなければなりません。「総監の技術体系」の理解が、まず根本的に重要であると思われます。 1.3.2 2 桁見出しの暗記 「情報管理について述べよ。」のように管理技術を指定されることも十分に予想されますが、その指定された管理技術の構成要素が瞬時に閃かなければよい解答を書くことは困難です。管理技術の構成要素とは「総監の技術体系」の 2 桁見出しです。例えば情報管理であれば、次の 5 つです。 4.1 通常業務における情報管理 4.2 緊急時の情報管理 4.3 ネットワーク社会における情報管理 4.4 情報ネットワーク 4.5 情報セキュリティ そのために、何が構成要素なのか、構成要素の一覧を前もってよく覚えておきます。 1.3.3 Key Words の暗記 「総監の技術体系」には【第○章 Key Words】 という標題のページに示される 486 個の用語群(以下、これを「Key Words」と称します。)があるので、同書はKey Wordsを重要視していると推測されます。また、Key Wordsのうちの1つひとつの用語(以下、これを「キーワード」と称します。)の意味をよく理解することを同書は求めていると推測されます。 したがって、記述式問題で高得点を得るためには記述式問題の答案にキーワードを入れ込むことが有効であると思われますが、そのためには入れ込むべきキーワードが瞬時に閃くようになっていなければなりません。どのような用語が Key Words なのか、Key Words の一覧を前もってよく覚えておきます。なお、Key Words の一覧を覚えることは口頭試験にも役立つのでしっかり覚えます(口頭試験受験上の留意点については 「総合技術監理部門講座 (4)口頭試験合格法」(以下、これを「総監口頭」と称します。)を御覧ください。)。 1.3.4 経験の整理 過去の自分の経験を織り交ぜつつ(つまり、過去の自分の経験に基づいて)述べるように求められる可能性があるので、各管理技術について成功例 1 つ、失敗例 1 つの計 2 つずつ、最も重点管理技術である経済性管理についてはさらに 2 つ(つまり、計 12 個)程度の経験をまとめ、記述できるように準備しておくことが大切と思われます。また、最適化、トレードオフ、リスクマネジメントなど重点項目についてはこの準備例の中に必ず入れておくのがよいと思われます。 ただ、失敗例については、いかにも軽率な失敗例や取り返しのつかない失敗例は避け、当時の技術レベルでは不可抗力に近い失敗例、その後の対応で何とか回復できた失敗例、その失敗を教訓にして大きな前進を得ることができた失敗例など展望の持てる失敗例に限るのがよいと思われます。 これは口頭試験においても役立つものなので、少し数が多いですがしっかり準備するのがよいと思われます。 1.3.5 過去問題による練習 答案作成の基本的な事柄を理解しておくために、過去問題集(例えば、「過去問題(第二次試験)」(公益社団法人日本技術士会)を用いて答案作成練習をします。最近の問題はずっと以前の問題に比べると条件設定が複雑ですので、最近の問題を用いて練習します。 試験会場では複雑な条件設定が原因で時間不足になる可能性が高いので、答案作成練習では、パソコンではなく手書きで書いて、3 時間 30 分という制限時間内で仕上げるようにします。5 時間も 10 時間もかけて完全な答案を書いても意味がありません。必ず 3 時間 30 分という制限時間内で仕上げ、制限時間内で仕上げるこつを会得します。 1.3.6 時間配分 記述式問題の試験時間は 3 時間 30分ですが、これを、受験番号〜専門とする事項記入、体裁指示・条件設定の確認、構想立案、執筆、査読、メモ作成に分けます。 受験番号〜専門とする事項記入時間は、5 分程度でしょう。 体裁指示・条件設定の確認時間は、10 分程度でしょう。 構想立案時間は、40 分程度とします。論文の大枠はこの段階で決まるので、この段階は課題解決問題の成否を決する重要な時間です。書いている途中で大幅な変更を思いついた場合は時間不足になる可能性が高いので、その意味からも構想は十分に練り上げます。しかし、構想立案に 1 時間もかけると執筆時間がなくなるので構想立案は 40 分以内に収める必要があり、30 分くらいにできれば最良と思われます。 執筆時間は、2 時間 20 分程度とし、上記の構想に従って文章を記述します。内容を考えながら書く速さは、通常、1 分間に 50 字程度ですので、2 時間 20 分で 50 字/分× 140 分= 7,000 字程度書くことが可能です。課題解決問題の文字数は 3,000 字ですので、2 時間 20 分という時間は、少しゆっくり書いてもあるいは僅かであれば書き直しがあっても十分な時間です。 査読時間は、 5 分程度とします。 メモ作成時間は、 5 分程度とします。 1.3.7 管理技術別の記述 答案記述に当たっては、総監の試験なので、総合技術監理の視点から記述することが大切です。そのために最も有効なのは、総合技術監理の各管理技術名を見出しにすることです。各管理技術名を見出しにした答案を見れば、総合技術監理の視点から記述されていることは一目瞭然です。 どのような見出し構成にするかを問題文が指定しているなどの理由により各管理技術名を見出しにして記述することができない場合でも、各管理技術について十分に留意していることが一目で分かるような構成で記述することが大切と思われます。 1.3.8 キーワードの使用 キーワードを用いて記述することが大切です。適当な内容と数のキーワードを解答論文中に配置します。 ただ、 キーワードは多すぎると論文が無内容となります。例えば 600 字詰 5 枚にまとめる論文に 50 個もキーワードを詰め込むと、題意が求める内容を記述する文章が少なくなり、全体として無内容で迫力のない論文になります。記述式問題では多くの場合「経済性管理、安全管理、人的資源管理の視点から述べよ。」などの形で記述する管理技術が指定されますが、仮に 3 つの管理技術が指定され、各管理技術について 2 個ずつのキーワードを用いると全部で 6 個のキーワードを用いることになります。したがって、600 字詰 5 枚であれば、配置するキーワードは 5〜6 個程度が適当であり、多くてもせいぜい 10 個程度までと思われます。 1.3.9 記述式問題の準備時間 ここまでお読みになった時点で、「総合技術監理部門講座 (2)択一式問題勉強法」(以下、これを「総監択一式」と称します。)の 3.1 では「「総監の技術体系」 の理解に時間の殆どを割くのが短時間の準備で合格を可能にする唯一の選択肢であると断定してよい」などと大見得を切っていたのに、本項(1.3)では記述式問題の準備もしっかりやれというようなことを言っている、一体どっちが本当なのかと思うかもしれません。 本項(1.3)で記したことは、記述式問題の準備に長時間を当てるということではありません。本項(1.3)で記したことを全て行ったとしてもかかる時間は数日程度であり、仮に総監の受験準備に全部で半年をかけるとするとこの数日という時間は半年のせいぜい数%です。つまり、本項(1.3)で記したことは、記述式問題の準備は必ず十分に行うがこれは数日程度の短時間で済ませるということです。もしこれを逆にして、「総監の技術体系」の理解に半年のうちの数日程度を割き、記述式問題の練習に残りの時間の全てを割いたら、合格はまずおぼつかないと思われます。したがって、「「総監の技術体系」の理解に時間の殆どを割くのが短時間の準備で合格を可能にする唯一の選択肢であると断定してよい」という 「総監択一式」の3.1 の結論は微動だにしないと思われます。 1.4 記述式問題で高得点を得るために1.4.1 総合技術監理の本質の把握総合技術監理は、その内容を分解すれば 1.3.1〜1.3.8 のようなことであり、総合化すれば「総監の技術体系」の「1.総合技術監理の要求内容と技術体系」に記述されているようなことですが、語弊を恐れず最も簡単に 1 言でその内容を言えば、総合技術監理とは総合的な矛盾解決であると筆者は考えます。 「矛盾」とは例えば次の (ア)、(イ) のようなことです。 (ア) 客先から製品単価を下げるように依頼があったが、これ以上下げると必要な品質の確保が困難である。
(イ) 会社の規模が小さいため優秀な人材が集まらず、そのため業務の実施に支障が生じており業績も頭打ちになっている。
「総合的な」とは、その問題の解決を取り巻く様々な条件を十分に考慮して全体最適が得られるようにということです。総監技術士に求められる技術は、このような矛盾を総合的な観点から適切に解決する能力であると思われます。 1.4.2 問題文の本質の把握 (1) 試験委員が矛盾と考えている事項の説明 総監記述式問題の問題文は極めて長文かつ複雑ですので、その字面だけに捕らわれると一体何を問題文が言っているのか、何を解答すればよいのかが見えにくくなります。問題文の前半は、その記述式問題を作成した試験委員が矛盾と考えている事項の説明です。ときには、どの様な矛盾が生じるかを受験者に想定、推測させる場合もあります。ですから、試験委員は何を矛盾と考えているのかという観点で問題文を読むと、問題文の意味がよく見通せると思われます。
(2) 矛盾の解決方法の指定問題文の後半は、上記の矛盾について解決方法の指定です。矛盾の解決には一般に多種多様の方法が考えられるためそのうちのどれを書いても本来は正解なのですが、そのうち総合技術監理の理解度を確認するために有効なもののみを書かせる(つまり、答案を採点しやすくする)ために試験委員は解決方法を指定します。ですから、試験委員は何を解決方法として指定しているのかという観点で問題文を読むと、問題文の意味がよく見通せると思われます。
1.4.3 解答の留意点(1) 問題文の本質によく合致した記述
したがって、記述式問題で高得点を得るためには、第 1 に、1.4.2 に示す問題文の本質によく合致した答案を書くことが大切と思われます。
(2) 総合技術監理の本質を理解していることの積極的提示
第 2 に、総監技術士に求められる能力は矛盾を総合的な観点から適切に解決する能力なので、このような総合技術監理の本質をよく理解していることがよく分かるように記述します。例えば、次の (ア)〜(ウ) のいずれかを解答の一部として極く簡単に盛り込みます。
(ア)「総監の技術体系」の「1.総合技術監理の要求内容と技術体系」も念頭に置きつつ、総合技術監理とは何かを述べる。
(イ) 総合技術監理の視点からの矛盾解決には 5 つの管理技術をどのように用いることが重要であるかを述べる。
(ウ) 問題文に言う課題を解決しようとするとどの様な矛盾が生じる可能性があり、その矛盾は5つの管理技術のどれを用いてどの様に解決するのがよいかを述べる。
勿論、上記 (ア)〜(ウ) はほんの 1 例であり、これら以外でも全く構いませんし (ア)〜(ウ) のようなことの全部でも構いません。どの様な内容とするかは全く自由です。それを解答の一部として極く簡単に盛り込みます。
1.3.1〜1.3.8 は個別の事項ですが、(ア)〜(ウ) のようなことは総合的、本質的事項です。加えて、このような内容の記述にはその人のものの考え方、経験、好みなどが強く反映されるので、試験委員の側からすれば合否判断のための格好の材料を入手することとなります。
したがって、(ア)〜(ウ) のようなことを入れ込むと解答者と試験委員との差しの勝負になりますが、総合技術監理とは何かの理解が正しければそれが試験委員に直接に伝わるので、(ア)〜(ウ) のようなことを問われなくても自分から積極的に入れ込むことは記述式問題で高得点を得るために大いに有効と思われます。
1.5 上位 10 % 強に入るために総監の合格基準は択一式問題と記述式問題の合計で「60 % 以上の得点」であり、近年の総監の合格率は 10 % 強です。これらのことは、「60 % 以上の得点」の者を全員合格させたら近年は合格率が 10 % 強に落ち着いたという明白かつ厳然たる事実を示しています。ただ、受験準備を進める側から見た場合はいくつかの異なる見方も可能です。その1つとして、択一式問題と記述式問題の全体で上位 10 % 強に入ることが唯一の合格基準だと考えることも可能です。 これは、択一式問題は自己採点できるので得点を確認できますが、記述式問題は自己採点できないので得点を確認できないことに依ります。また、仮に確認できたとしても、同一の記述式問題答案を採点してもそれが文章に対する評価である限りは専門、経験、興味の中心などにより採点結果は採点に当たった試験委員ごとに微妙に異なり、記述式問題はそのように異なることを当然の前提とした試験であるため、微妙に異なることに対して異議を申し立てることが困難であることに依ります。 それにしても採点結果が試験委員ごとに微妙に異なるのは当たり外れがあるということだからおかしい、完全に同一になるようにすべきだと思われるかもしれません。しかし、文章力の評価のためには記述式問題が欠かせないため技術士試験には記述式問題が不可欠であるというのは動かせざる大命題ですので、この大命題の前には、採点結果が試験委員ごとに微妙に異なるという些細な欠点など全く拘るに値しないことである思われます。もし、この欠点に拘るのであれば、技術士試験に限らず世の中に記述式問題は一切存在し得ないことになります。更に、これはあくまで推測ですが、公益社団法人日本技術士会では、1 人の受験者の記述式問題答案を複数の試験委員が採点して、得られた複数の点数の平均点をその受験者の得点とするなどの対策を講じることによりこの欠点の軽減に可能な限り努めているのではないかと推測されます。 では、択一式問題の得点が平均点に近い場合に上位 10 % 強に入るにはどうすればいいのかということですが、お聞きしたところでは択一式問題は 60〜80 % の正解率の方が多いようですので、今仮に受験者全体の択一式問題の平均正解率が 70 % であるとします。すると、どの様な得点分布になっているかを無視した荒っぽい議論ですが、択一式問題で 70 % 正解すれば択一式問題では全受験者のうちの概ね上位から50 % 付近にいると考えて大きな間違いはないと推測されます。0.5×0.3=0.15(=15 %≒10 % 強)ですから、この上位 50 % のうちの上位 30 % に記述式問題で入れば、全受験者の「10 % 強」にほぼ入ることになり合格することになります。 しかし、総監受験者のほぼ全員が総監以外の部門(以下、これを「一般部門」と称します。)の技術士資格を有しているため総監受験者の文章力はほぼ横一線であり大きな差はないと推測されるので、記述式問題で上位 30 % に入るのは容易ではないと推測されます。勿論、「技術士第二次試験講座 (2)筆記試験合格法」の 2.2.19 などにより文章力を向上させればよいのですが、短時間の準備ではそれも容易ではありません。 では、択一式問題の得点が平均点に近い場合に半年程度の短時間の準備で記述式問題で上位 30 % に入るにはどうするか。それは、1.1〜1.4 の準備は当然行いますが、それ以外に、試験当日に、全力であらん限りの力を振り絞って答案を執筆するということに尽きると思われます。神経をピリピリさせながら問題文を読み、頭脳を全速回転させて構想を練り、知識と技術の全てを投入して文章化します。頭の中を冷たい嵐がごうごうと渦巻くくらいに集中して解答します。そのようにすれば、試験前に過去問でのんべんだらりと練習していたときの(つまり、普段の実力の)何倍も、何十倍も素晴らしい答案を書くことができます。つまり、横一線から抜け出して記述式問題で上位 30 % に入ることができます。 つまり、記述式問題の合否を決するのは、試験前日まで多くの時間をかけて記述式問題の練習をすることではなく、普段出したことのない力を試験会場で発揮するということです。理由は既に 1.1〜1.4 で詳しく述べたとおりです。 このような力は、合格したいという強い気持ちから生まれます。その気持ちの強い者が上位 10 % 強に入り、合格することになると思われます。 これらをまとめて簡単に言えば、上位 10 % 強に入るためには、記述式問題については、試験当日に試験会場で震えるほどの緊張感の中でエネルギーを爆発させることが要諦であると思われます。 1.6 記述式問題の重要性口頭試験では業務経歴、業務内容の詳細、記述式問題答案の 3 つが試問の対象となり、これら 3 つのうち最も問題が多いと思われるものから順に試問されます(口頭試験受験上の留意点については 「総監口頭」 を御覧ください。)。したがって、3 つそれぞれへの対策が必要ですが、既に一般部門の技術士資格をお持ちの方であれば文章力は十分あるのですから、よほど下手をしない限り口頭試験で記述式問題答案について厳しい試問をされることはないはずです。ましてや、1.5 のようにして素晴らしい答案を書けば、記述式問題答案について厳しい試問をされるはずがありません。しかし、択一式問題が 40 点前後の高得点なのに不合格になった方(つまり、「総監択一式」の3.1 のほぼ (a) の得点で不合格になった方)が希にお見えです。このような方は、明らかに、記述式問題が 20 点前後を下回っていることになります。また、このような方は口頭試験において記述式問題答案についてかなり厳しい質問をされています。これは、択一式問題で頑張ったからと言って記述式問題で手抜きをするとやはり記述式問題が目立つため合格は困難だということだと思われます。 したがって、もし記述式問題答案について厳しい試問をされたのであれば、それは筆記試験会場において記述式問題に十分に力を注がなかったということであり、そのような事態に至っては残念としか言えません。 したがって、記述式問題で上記のようにして素晴らしい答案を書くことは、口頭試験を無事突破するためにも大変重要であると思われます。
1.7 一般部門と共通の事項
上記のほか、記述式問題については一般部門と共通する事項もたくさんあります。そのような事項については 「技術士第二次試験講座 (2)筆記試験合格法」の 2 を御覧ください。 |