技術士試験講座





(2020.04.18 更新)
(2016.06.05 更新)

技術士第二次試験講座 (1)受験申込書の書き方

(本ページは総監以外の部門の受験申込書の書き方についてのみ記載しています。)

         総監の受験申込書の書き方は こちら

         総監以外の部門の口頭試験は こちら


技術士試験総合技術監理部門キーワード事典2010年版

1. 受験申込書(受験願書)の重要性


 総合技術監理部門(以下、これを「総監」と称します。)以外の部門における第二次試験受験申込書(受験願書)の重要性は総監のそれと同じなので、「総合技術監理部門講座 (1)受験申込書の書き方」の 1 を御覧ください。

2. 受験申込書(受験願書)の書き方

2.1 業務経歴表の書き方

2.1.1 受験申込書が求めるもの
2.1.1.1「技術士法」の規定
「技術士法」は次の『』内のように規定しています(第 6 条第 2 項)。
『2 次のいずれかに該当する者は、第二次試験を受けることができる。
一 技術士補として技術士を補助したことがある者で、その補助した期間が文部科学省令で定める期間を超えるもの
二 前号に掲げる者のほか、科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者の監督(文部科学省令で定める要件に該当する内容のものに限る。)の下に当該業務に従事した者で、その従事した期間が文部科学省令で定める期間を超えるもの(技術士補となる資格を有するものに限る。)
三 前二号に掲げる者のほか、前号に規定する業務に従事した者で、その従事した期間が文部科学省令で定める期間を超えるもの(技術士補となる資格を有するものに限る。)』

 上記「技術士法」第 6 条第 2 項に言う「文部科学省令」は「技術士法施行規則」であり、同規則は次の【】内のように規定しています(第 10 条)。
【第十条 法第六条第二項第一号の文部科学省令で定める期間は、総合技術監理部門について受験する場合にあつては通算して七年とし、総合技術監理部門以外の技術部門について受験する場合にあつては通算して四年とする。
2 前項の期間については、法第六条第二項第二号に定める期間を算入することができる。
3 法第六条第二項第二号の文部科学省令で定める期間は、総合技術監理部門について受験する場合にあつては通算して七年(技術士補となる資格を得た後のものに限る。)とし、総合技術監理部門以外の技術部門について受験する場合にあつては通算して四年(技術士補となる資格を得た後のものに限る。)とする。
4 前項の期間については、法第六条第二項第一号に定める期間を算入することができる。
5 法第六条第二項第三号の文部科学省令で定める期間は、総合技術監理部門について受験する場合にあつては通算して十年(既に総合技術監理部門以外の技術部門について技術士となる資格を有する者にあつては通算して七年)とし、総合技術監理部門以外の技術部門について受験する場合にあつては通算して七年とする。
6 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による大学院修士課程(理科系統のものに限る。)若しくは専門職学位課程(理科系統のものに限る。)を修了し、又は博士課程(理科系統のものに限る。)に在学し、若しくは在学していた者にあつては、第一項、第三項又は前項に定める期間は、当該期間から、その在学した期間(二年を限度とする。)を減じた期間とする。】

 上記は条文なので少し分かりにくいですが、極く簡単に要約するとこれらは次の (a)、(b) を言っています。
(a) 年数の要件
総監以外の技術部門の第二次試験を受験する場合は、業務に従事した年数(以下、これを「業務従事年数」と称します。)が受験申込み時点で次の (ア)〜(ウ) のいずれかに該当することが必要である(以下、「技術士法」第 6 条第 2 項が求める業務従事年数(つまり、次の (ア)〜(ウ))を「年数要件」と称します。)。
(ア) 技術士補として技術士を補助して業務に従事した期間が、通算 4 年を超える。
※この期間には下記 (イ) の期間を算入(加算計上)することができる。
(イ) 技術士補となる資格を得たとき以降に指導者の監督のもとに業務に従事した期間が、通算4年を超える。
※この期間には上記 (ア) の期間を算入(加算計上)することができる。
(ウ) 業務に従事した期間が、通算7年を超える。
※この場合、技術士補となる資格を得たとき以降だけで通算 7 年を超える必要はなく、技術士補となる資格を得たとき以前のものも含めて通算で 7 年を超えればよい。ただし、受験の時点で技術士補となる資格を有していなければならない。
また、大学院における研究経歴の期間は、2 年を限度として、上記 (ア)〜(ウ) の「業務に従事した期間」として算入(加算計上)することができる。
なお、(ア)、(イ)のような短い期間の実務経験でも年数要件を満たしているとするのは、若くて優秀な技術者を発掘するためではないかと推測されます。
(b) 業務内容の要件
総監以外の技術部門の第二次試験を受験する場合は、上記(a)の年数要件に示される期間において従事した業務が次の (ア) 又は (イ) に該当することが必要である(以下、「技術士法」第 6 条第 2 項が求める業務内容(つまり、次の (ア)、(イ))を「業務要件」と称します。)。
(ア) 年数要件 2.1.1.1、(a)、(ア) で受験する場合は、技術士補として技術士を補助する業務。
(イ) 年数要件 2.1.1.1、(a)、(イ) 又は (ウ)で受験する場合は、科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務。
 したがって、受験申込書に記入する事項のうちで最も重要なこと(つまり、受験申込書が最も強く求めること)は年数要件と業務要件の2つを満たしていることが確認できるように受験申込書を記入することであると言っても過言ではありません。
 これが確認できるように記入するためには、次の 2.1.22.1.3 が大切と思われます。
2.1.1.2 公益社団法人日本技術士会の呼称(経路①〜経路③)
 公益社団法人日本技術士会(以下、これを「日本技術士会」と称します。)は、「技術士試験の概要」の 4567において、年数要件、業務要件を上記2.1.1.1、(a)、(ア) のようにして確認することを「経路①」と、同 (イ) のようにして確認することを「経路②」と、同 (ウ) のようにして確認することを「経路③」と、それぞれ呼んでいます。

「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」の更新と解説 2019年版

2.1.2 年数要件を満たしていることの明示
2.1.2.1 年数要件の判定基準
 年数要件を満たしているか否かの判定基準は、「技術士法」第 6 条の主旨により、次の (ア) です。
(ア) 業務経歴表の「合計①+②」欄の値が年数要件以上である。
2.1.2.2 不受理又は不合格
上記 2.1.2.1、(ア) を満たしていない場合は、通常は、受験申込書提出直後に日本技術士会から申込書が返送されるので試験を受けることができません。「通常は」と言うのは、上記 2.1.2.1、(ア) を満たしているか否かを全ての受験申込書について点検することは日本技術士会の本来業務ではないので、希には満たしてなくても返送されないこともあるということです。返送されない場合は、口頭試験においてそれについて多くの試問がなされ不合格となります。
したがって、2.1.2.1、(ア) を満たすように記入することは必須です。
2.1.2.3 記入上の注意点
(1) 必須注意点
 (a)「必須注意点」とは
次の (b)〜(d) は、年数要件を満たしているか否かを判定するために大変重要であるため (b)〜(d) のうちの1つでも間違うと受験申込書が日本技術士会から返送される又は不合格となる可能性が生じるので、(b)〜(d) は必須です。その意味で、本項では (b)〜(d) を「必須注意点」と称します。
 (b) 始期以降のみの記入
経路①で受験する場合は自分の業務経歴のうち技術士補の登録日よりも前の、経路②で受験する場合は同、技術士第一次試験合格日より前の、それぞれ業務経歴を「勤務先における業務経歴」表に記入してはなりません(「技術士試験の概要」の 5、30 ページ)。
ただし、経路③で受験する場合はこのような制限はありません。全ての期間の業務経歴を「勤務先における業務経歴」表に記入することができます。
 (c) 重複の回避
「勤務先における業務経歴」表の②の「年・月〜年・月」欄に記入した 5 つの期間は、互いに重複することがないように記入しなければなりません。
 (d) 上限年数による計算
大学院において研究した期間が 2 年を超える場合は、「大学院における研究経歴」の「年月数」欄に記入した値がいくらであるかに関わらず「合計①+②」を計算するときの①の値としては 2 年より大きい値を用いることはできません(「技術士法施行規則」第 10 条第 6 項)。例えば、「大学院における研究経歴」の「年月数」欄に 4 年 5 月と記入した場合であっても、「合計①+②」を計算するときの①の値としては 2 年 0 月より大きい値を用いることはできません。
(2) その他注意点
 (a)「その他注意点」とは
次の (b)〜(g) は、「技術士法」には何ら規程がないのでこれらに相違しても受験申込書を返送されたり不合格になったりすることはありませんが、業務経歴をよりよく理解してもらうためには留意して記入することが望ましい事項です。その意味で、本項では (b)〜(g) を「その他注意点」と称します。
 (b) 古い順の記入
一般に業務経歴は古いものから新しいものへと時系列順に見るので、「勤務先における業務経歴」表を見やすくするために、同表の 5 欄(5 行)の記入欄のうち最上欄に最も古い経歴が、最下欄に最も新しい経歴が、それぞれ位置するように記入します。
 (c) 研究経歴の記入
大学院における研究経歴を加えるまでもなく勤務先における業務経歴のみで年数要件を満たしている場合でも、自分の経歴を試験委員にできるだけ十分に理解してもらうために、大学院における研究経歴がある場合はそれを「大学院における研究経歴」欄に記入します。
 (d) 可能な限り全経歴の記入
自分の経歴上、上記 2.1.1.1、(a)、(ウ) で受験する場合は、例えば次の (ア)〜(ウ) のような記入方法が可能です。
(ア) 業務要件に最もよく合致する業務を行った期間のみの記入
これは、業務経歴のうちから業務要件に最もよく合致する業務に従事したいくつかの期間のみを抽出して、それらの期間の合計が年数要件を満たすように記入する記入方法です。例えば、2000 年に入社して 2020 年までずっと業務要件に合致する業務に従事した場合で、かつそのうちの平成 2005 年〜2007 年、平成 2009 年〜 2015 年、平成 2018 年〜2020 年の 3 つの期間(合計で 10 年)においてのみ業務要件に最もよく合致する業務に従事した場合に、これら 3 つの期間のみを記入します。これは、業務要件に最もよく合致する業務について記入することが大切であるという考えに基づくものです。また、この記入方法はこの 10 年で年数要件も満たしているので年数要件の点からも問題ありません。
(イ) 直近の 10 年程度のみの記入
これは、業務経歴のうちから直近の 10 年程度を抽出して記入する記入方法です。例えば、2000 年に入社して 2020 年までずっと業務要件に合致する業務に従事した場合に、2010 年〜2020 年の 10 年間のみを記入します。これは、通常は、業務要件によりよく合致する業務に従事したのは古い時代ではなく最近(つまり、若い頃ではなく、経験を積んで役職が付いて部下を指導するようになってから)であることが多いこと、古い時代の規程、基準、指針などのうちには現在では既に用いられていないものもあるためそのような古い規程、基準、指針などに基づいて実施した業務経歴を現時点で評価することには若干の困難が伴うことなどにより、直近の経歴を詳しく記入することが大切であるという考えに基づくものです。また、この記入方法はこの 10 年で年数要件も満たしているので年数要件の点からも問題ありません。
(ウ) 全期間の記入
これは、業務要件に合致する業務に従事した全期間を記する記入方法です。例えば、2000 年に入社して 2020 年までずっと業務要件に合致する業務に従事した場合に、2000 年〜2020 年の全期間を記入します。これは業務経歴をよく理解してもらうためには全期間を記入することが大切であるという考えに基づくものです。また、また、この記入方法はこの 20 年で年数要件も満たしているので年数要件の点からも問題ありません。
上記 (ア)〜(ウ) のいずれの記入方法でも年数要件の点からは問題ありません。
ただ、(ア) のように記入すると、試験委員は「この記入されてない期間は一体何をしていたんだろう。」と疑問を持ちます。その期間に何をしていようとも年数要件は完全に満たしているので何も問題ないのですが、より十分な判定をするために試験委員はその記入されてない期間について口頭試験の席上で質問し、解答を聞いた後で「そんなことなら、そうだと分かるように全期間を書いておけよ。余計な心配をするじゃないか。」と思うのではないかと推測されます。つまり、試験委員に負担がかかり、また貴重な口頭試験の時間がそれだけ消費されます。そのようなことを避けるために、業務要件にさほどよくは合致しない業務に従事した期間についてもできるだけ記入しておき、業務経歴表記入内容を読んだだけで自分の経歴全体をよく理解して貰えるようにしておくのがよいと思われます。つまり、(ア) は避けるのがよいと思われます。
上記 (イ) のように記入すると、試験委員は「ここに記入されているより前の期間も、多分、同様の業務をしていたんだろうな。」と思うと推測されます。しかし (イ) は (ア) 程の不自然さがないので記入されているより前の期間について質問はしないかもしれませんが、質問しなかった場合は受験者の経歴について推測の領域が試験委員の気持ちの中に残ります。したがって、できれば (イ) も避けるのがよいと思われます。
上記 (ウ) のように記入すると、経歴については何も不明点がありません。一目瞭然です。自分が試験委員として受験者の経歴を評価する立場になった場合を考えれば容易に推測できると思いますが、(ア)、(イ) よりも (ウ) の方が安心して受験者の経歴の評価をすることができます。
つまり、(ア)、(イ) はこれでも不合格にはならない記入方法であり、(ウ) は試験委員に優しい記入方法です。したがって、特別の事情がある場合を除いて、(ア)、(イ) はお勧めできません。可能な限り (ウ) で記入するのがよいと思われます。
 (e) 経路③での受験
上記 2.1.2.3、(2)、(d) と同じ理由により、自分の経歴上、経路①〜③のいずれで受験することも可能な場合は、できるだけ経路③で受験するのがよいと思われます。
また、経路①、②では添付する必要のある証明書を経路③では添付する必要がないため、その点からも経路③がよいでしょう。
 (f) 日本技術士会の指示
日本技術士会は「科学技術に関する業務について 7 年を超える実務経験を有している方は、「【経路 3】7 年を超える実務経験」を使用してください。」としています(「技術士試験の概要」の 6 の「第二次試験のよくあるご質問」、「Q:受験申込み案内(冊子版)に申込書様式が 3 種類ありますが、どれを使用してよいかわかりません。」)。つまり、7 年を超える実務経験を有している場合は経路①、経路②ではなく経路③で申し込むように指示しています。
「技術士法」が上記 2.1.1.1、(a) の (ア)〜(ウ) の 3 つの受験方法に何らの優劣の差を設けていないことから見ると、日本技術士会のこの指示は、この指示に反して 7 年を超える実務経験を有している受験者が経路③以外で申し込んだ場合は受験申込書を受理しないとか不合格になるとかの意味ではなく、可能な限り経路③で申し込むのがよいという意味である(つまり、推奨、助言である)と解されます。そして、このような推奨、助言をする理由は、2.1.2.3、(2)、(d) と同様ではないかと推測されます。
 (g) よく合致した期間の詳述
「勤務先における業務経歴」欄は 5 欄(5 行)しかないので、業務経歴が 20 年のような長期間である場合は全ての経歴を詳細に記入することは困難です。したがって、業務経歴が例えば 20 年の場合は例えば次の (ア)、(イ) のようにします。
(ア) 20 年のうちの 10 年間のみ業務要件によく合致する業務を行った場合
20 年間のうちの 10 年間のみ業務要件によく合致する業務を行った場合は、よく合致した業務を行った 10 年間をできるだけ多くの欄を用いて詳細に書き、それ以外をできるだけ少ない欄を用いてまとめて書きます。これは、上記2.1.2.3、(2)、(d)、(ア) と同様の考えに基づくものです。
(イ) 20 年の全期間にわたって業務要件によく合致した業務を行った場合
20 年の全期間にわたって業務要件によく合致した業務を行った場合は、直近の 10 年間程度以外の全経歴をまとめて 1 欄目に記入します。こうすると、多くの場合、1 欄目の「地位・職名」欄には「技術員、係長、課長等」などと複数の名称を記入し、「業務内容」欄には「○○の設計、○○の分析、○○の評価等」のように複数の業務名を記入し、もしその間に転職していた場合は「勤務先」、「所在地」欄にも複数の名称を記入することとなります。また、いずれの欄においても、その全てを書ききれない場合は一部を省略したうえで「等」を付けて記入することとなります。そして、直近の 10 年間程度を残りの 4 欄を用いて詳細に書きます。これは、上記2.1.2.3、(2)、(d)、(イ) と同様の考えに基づくものです。
2.1.2.4 第一次試験の早期合格
これは業務経歴表の書き方ではなく第二次試験受験方法ですが、既にお分かりのように、経路①又は②で合格すると最も早く技術士資格を得ることができます。しかし、経路①又は②で受験するためにも第一次試験に合格していることが必須であり、また第一次試験を受験するために必要な資格はないので第一次試験は誰でも受験することができます。したがって、技術士資格取得を思い立ったら何はともあれまず第一次試験を受験することをお勧めします。在学中に取得されるのが最もよいと思われます。

「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」の更新と解説 2019年版

2.1.3 業務要件を満たしていることの明示
2.1.3.1 業務要件の判定基準
 業務要件を満たしているか否かの判定基準は、「技術士法」第 6 条の主旨により、次の (ア) が (イ)、(ウ) と合致していることです。
  (ア) 技術部門、選択科目、専門とする事項
  (イ) 業務経歴表の記入内容
  (ウ) 業務詳細
2.1.3.2 業務要件を満たす記入
 「業務内容」欄に全く的外れなことが書いてある、「業務内容の詳細」欄に何も記入されていない等明らかな不備がある場合は、通常は、受験申込書提出直後に日本技術士会から申込書が返送されるので受験申込書を再提出しなければなりません。しかし、そのような明らかな不備がある場合以外は、上記 2.1.3.1 を満たしているか否かの判定は口頭試験において試験委員が行います。満たしていないと試験委員が判断した場合は不合格となり、ある程度合致するがあまりよく合致しない場合は多くの質問を受け窮地に立つことになります。
 したがって、口頭試験に合格するためには 2.1.3.1 を満たすように記入することは必須です。
2.1.3.3 記入上の注意点
(1) 必須注意点
 (a)「必須注意点」とは
次の (b)〜(d) は、このいずれか 1 つにでも反すると業務要件を満たしていないことになり不合格となるので、(b)〜(d) は必須です。その意味で、本項では (b)〜(d) を「必須注意点」と称します。
 (b) 業務詳細との合致
業務要件を満たしているか否かを判定する上で第 1 に重要なことは、「技術部門、選択科目、専門とする事項」と「業務詳細」とが合致していることです。この 2 つが合致するように注意します。
例えば選択科目ですが、業務詳細が道路建設事業における自然環境、生活環境についての環境影響評価である場合に選択科目を「道路」とすると、選択科目の設定が正しくないとみなされて不合格になります。この場合は、「業務内容」が道路に関する内容ではありますが、合格するためには選択科目を「建設環境」としなければなりません。また例えば、「業務内容」がトンネルの施工計画、施工管理、施工設備である場合に選択科目を「トンネル」とすると、選択科目の設定が正しくないとみなされて不合格になります。この場合は、「業務内容」がトンネルに関する内容ではありますが、合格するためには選択科目を「施工計画、施工設備及び積算」としなければなりません。選択科目と業務詳細とは一方を先に決めて他方をそれに合わせるというものではなく、選択科目と業務詳細の組みあわせについて思いを巡らせ、最適な組み合わせを決定することが大切と思われます。
 (c) 業務経歴表の記入内容との合致
業務要件を満たしているか否かを判定する上で第 2 に重要なことは、「技術部門、選択科目、専門とする事項」と「業務経歴表の記入内容」とが合致していることです。この 2 つが合致するように注意します。
どの選択科目を選べばよいのかが分からない場合には、次の (ア)、(イ) などによって確認します。
  (ア) 過去問題の参照
数年分の過去問題を見て、最もよく解けそうな選択科目が正しい選択科目である可能性が高いと思われます。
  (イ) 業務内容の詳細の作成
2.2 を参考にしていくつかの業務詳細を完成します。例えば、これなら合格するのではないかと思われる 3 個程度の自己技量成果(自己技量成果については 2.2、(3)、(c)、(イ)〜(オ) を御覧ください。)を選んで、それぞれについて業務詳細を作成します。そのうちの最も書きやすいと感じた業務詳細が該当する選択科目が正しい選択科目である可能性が高いと思われます。
 (d) 丸印の記入
「業務内容の詳細」欄に書く業務(つまり、2.2、(3)、(c)、(イ) に言う「最も大きな成果を上げた」業務)を選び、その業務の行の「詳細」欄に丸印を記入します。
(2) その他注意点
 (a)「その他注意点」とは
次の (b)〜(h) は、「技術士法」には何ら規程がないのでこれらに相違しても受験申込書を返送されたり不合格になったりすることはありませんが、業務経歴をよりよく理解してもらうためには留意して記入することが望ましい事項です。その意味で、本項では (b)〜(h) を「その他注意点」と称します。
 (b) 個別業務又は業務範疇の記入
「業務内容」欄には、1 つの「業務内容」欄に記入する業務が 1 つである場合には例えば次の (ア) のように個別業務とその成果を記入し、1 つの「業務内容」欄に記入する業務が多数ある場合には例えば次の (イ) のように業務範疇を記入します。
(ア) 河川現況解析(○○地整管内の計○○の一級水系の想定氾濫区域の人口、資産等を解析。全国統一法に新規観点を加味。)
(イ) 河川現況解析、河川堤防設計、河川堤防漏水防止工設計、干拓地樋門設計、大規模土砂移動解析等及びその指導
上記 (イ) では「河川現況解析」、「河川堤防設計」などが業務範疇です。ですから、複数個の河川現況解析を行った場合も単に「河川現況解析」と記し、複数個の河川堤防設計を行った場合も単に「河川堤防設計」と記します。業務範疇が多数あって全部を書ききれない場合は上記のように「等」を用いて他にもあることを示します。
上記 (イ) で「業務内容」欄に複数の業務範疇を記入した場合はどの業務範疇について「業務内容の詳細」欄に記入したのかが分からないので、「詳細」欄に○印を付ける業務の「業務内容」欄には単一の業務範疇を記入しなければならないと思うかもしれませんが、この場合も「業務内容」欄には複数の業務範疇を記入して構いません。これは、そもそも「業務内容」欄に業務範疇を記入する記入方法自体がどの個別業務について「業務内容の詳細」欄に記入したのかが分からない記入方法なので、単一の業務範疇を記入しても複数のそれを記入してもこれが分からないことには変わりがないからです。
 (c) できるだけ詳細な記入
「業務内容」欄は、自分が技術士に相応しいことを謂わば訴え、宣伝するために記入するのですから、そのことがよく分かるようにできるだけ詳しく記入します。例えば、次の (ア)、(イ) のように記入します。
  (ア) 2 行又は 3 行の記入
できるだけ豊富な情報量を記入します。したがって、1 つの欄に記入する文言の量は 1 行では少な過ぎます。2 行又は 3 行が適当です。
  (イ) 5 欄の十分な活用
できるだけ 5 欄全部を用いて記入します。例えば、入社以来 4 年しか経ってなくてその間ずっと無役の技術員であり、転勤もなく、業務内容も同じであったなど業務経歴が短い場合は、最も簡単に書こうとするなら「勤務先における業務経歴」のいちばん上の 1 欄だけに記入すれば済みますが、そのような場合でも業務経歴がよく分かるように(つまり、業務要件を十分に満たしていることをよく理解してもらえるように)「業務内容」欄に記入する文言をいろいろと工夫することによりできるだけ 5 欄全部を用いて記入します。
また、業務経歴が長いが 2 欄もあれば十分に業務経歴を書き切れるような場合でも、同じ理由により、できるだけ 5 欄全部を用いて記入します。
 (d) 経験年数の短い選択科目
  (ア) 受験の可否
業務経歴表に記入した業務経歴全体で年数要件、業務要件を満たしている場合は、選択科目に関連した業務に限っての経験年数が年数要件を満たしていなくても、その選択科目で受験することは何ら問題ありません。例えば、年数要件、業務要件を満たす業務経験が 10 年ありこれを業務経歴表に記入した場合は、そのうち道路に関連した業務に限っての経験年数が 1 年であっても、建設部門の「道路」で受験することは何ら問題ありません。
理由は、選択科目に関連した業務に限っての経験年数が年数要件を満たさない場合には受験できないとする規定は「技術士法」にはないからです。
  (イ) 選択理由等の明示
ただ、そのような場合は試験委員が不審に思う可能性があるので、次の (i)〜(iii) に留意します。
   (i) 業務経歴の明示
その経験年数の短い選択科目に関連する業務経歴を業務経歴表に詳細に記します。
   (ii) 自己技量成果の明示
その選択科目に関連する十分な自己技量成果(2.2、(3)、(c)、(ア)〜(オ))を上げていることを業務詳細、口頭試験において明確に示します。
   (iii) 選択理由の明示
何故経験年数の短い選択科目で受験したのかと口頭試験で試問された場合は、「この選択科目の業務で最も大きな成果を上げたから。」、「この選択科目の業務を受注したいのでこの選択科目で受験するようにと上司から指示されたから。」など、選択科目選定理由を明確に示します。
 (e) 業務内容末尾文言
「技術士法」は技術士とは「計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」を行う者としている(第 2 条第 1 項)ので、「業務内容」欄に記入する文言の末尾は、できるだけ、計画、研究、設計、分析、試験、評価、指導のいずれかとします。例えば、「業務内容」欄に記入する文言は、できるだけ、「○○の計画」、「○○の研究」、「○○の指導」のようにします。
もし 2.1.1.1、(a)、(ア) の年数要件で受験する場合は文言の末尾は「補助」となりますが、その場合でも「補助」の直前は、できるだけ、計画、研究、設計、分析、試験、評価、指導のいずれかとします。例えば、「業務内容」欄に記入する文言は、できるだけ、「○○の計画の補助」、「○○の研究の補助」、「○○の指導の補助」のようにます。
ただ、これは必ずこのように記入しなければならないということではないし、このように記入してないからといって受験申込書を受理されないということもないし、口頭試験や最終成績判定で若干でも不利になるということもありません。あくまで「できるだけ」ということであり、このようにした方がどちらかというと印象がよいのでそのようなことにも留意して記入したいという程度のことです。
なお、当然ですが、設計業務をしてないのに設計業務をしたなど経歴詐称に当たるような記入をすると「技術士法」第 9 条により合格取り消しとなるので注意します。
 (f) 単純技術業務の記載の回避
単なる試験機器操作、単なる数値計算、単なるデータ入力など単純技術業務は、やむを得ない場合を除き、業務経歴表に記入してはならないと思われます。
これは、単純技術業務は「計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」(「技術士法」第 2 条第 1 項)に該当しないため記入しても業務経歴として認められないので、記入するだけ無駄であるだけでなく、単純技術業務を自分の業務経歴として業務経歴表に書くことが相応しいと思っているのかとの試験委員からの叱責を買いかねないことによります。
 (g)「地位・職名」欄への立場の記載の回避
「地位・職名」欄には次の (ア) を記入しますが、これに加えて同欄に (イ) を併記することはしてはならないと思われます。
(ア)「技術員」、「係長」、「部長」など地位・職名を表す文言
(イ)「補助担当者」、「主担当者」、「技術責任者」、「総括責任者」などその業務に携わったときの立場を表す文言
これは、「地位・職名」欄はその受験者の技術的な経歴の詳細をではなくその受験者が受験資格を満たしているか否かを知るために設けられているものであり単に地位・職名を記せばそれで十分であると推測されること、もし「地位・職名」欄が立場の記入を求めているのであれば「業務内容の詳細」欄がそうであるように立場について記せとの指示があるはずであるが受験申込書にはそのような指示はされていないこと、指示されていない事項を記入すると煩雑となるが業務経歴表のような簡潔かつ一目瞭然を要する書類においては煩雑さを極力避けなければならないこと、例えば係長であったときには例外なく主担当者であったなど自分の経歴上 (ア) と (イ) が 1 対 1 に対応している場合は (イ) を併記することも可能であるが 1 対 1 には対応していない場合は (イ) を併記することが困難であることなどの点から見て、(イ) を併記したとしてもそれは「地位・職名」記載内容審査結果には何ら影響を与えないだけでなく「地位・職名」を無用に煩雑にすると推測されることによります。
また、同じ理由により、「地位・職名」欄に (ア) に代えて (イ) のみを記入することもしてはならないと推測されます。
 (h)「業務内容」欄への成長の跡の記載の回避
若い頃は補助的業務に就くことが多かったが年を経るにつれて指導の業務に就くことが多くなって来たこと(つまり、経験を積むにつれて受験者の技術力が次第に向上したこと。つまり、成長の跡。)が読み取れるように「業務内容」欄に記入することはしてはならないと思われます。
これは、「業務内容」欄はその受験者の技術的な経歴の詳細をではなくその受験者が受験資格を満たしているか否かを知るために設けられているものであるため単に業務内容を記せばそれで十分であると推測されること、「技術士法」は単に「計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」とのみ規定しており(第 2 条第 1 項)「計画、研究、設計、分析、試験、評価」と「これらに関する指導の業務」との間に何らの優劣関係も設けていないので指導の業務に就くことが多くなって来たことを示してもその分だけ有利になることはないと推測されること、多くの人は年を経るにつれて指導の業務に多く就くようになりその逆の人はまずいないのでそのようなことをわざわざ示す必要性が低いこと、受験者が所属する組織の性格によっては就職直後の若い頃から指導の業務に就くこともあれば年を経ても指導の業務には就かないこともあるのでそのような所属する組織の性格に大きく依ることを合否判定の判断材料とするのは明らかに誤りであることなどの点から見て、成長の跡が読み取れるように「業務内容」欄に記入したとしてもそれは「業務内容」記載内容審査結果には何ら影響を与えないだけでなく「業務内容」を無用に煩雑にすると推測されることによります。

技術士試験総合技術監理部門キーワード事典2010年版

2.2 業務詳細の書き方

(1) 技術部門、選択科目、専門とする事項に合致した業務詳細の作成
受験申込書に記入した技術部門、選択科目、専門とする事項と業務詳細とが合致しない場合は、口頭試験で不合格となります。ある程度合致するがあまりよく合致しない場合は、口頭試験で多くの質問を受け窮地に立つことになります。したがって、よく合致する業務詳細を、かつ合致していることがよく分かるように記入します。
通常は受験申込書に記入する事項のうちでは業務詳細が最も作成しにくいので、業務詳細をまず完成して、その後にその内容に合致する技術部門、選択科目、専門とする事項を決めるのが順番としては進めやすいかもしれません。
(2) 当該業務での立場、役割
 (a) 業務概要の記入
「業務内容の詳細」欄には、「勤務先における業務経歴」の「詳細」欄に丸印を記入した業務について業務詳細を記入します。
「業務内容の詳細」欄には「当該業務での立場、役割、成果等」を書くようにとの指示があるのでまず「当該業務での立場」を書きたくなりますが、それを書く前に業務概要を書かなければなりません。もし、2.1.3.2、(3)、(a) の方法で記入していた場合は「業務内容」欄に業務名称が示されているので業務概要がだいたい分かりますが、それでも業務名称だけでは試験委員が知りたい業務概要は分からない場合が殆どです。ましてや、(b) の方法で記入していた場合は、全く分かりません。したがって、「業務内容の詳細」欄の1行目には「業務概要」という項目を設けて、業務経歴表の「詳細」欄に丸印を記入した業務の概要(つまり、業務名称、業務目的、実施位置、数量、工期などの全部又はいくつか)を記述します。例えば、「○○市の丘陵地の下水道設計、総延長○○ km」などのように記述します。
 (b)「当該業務での立場、役割」の記入
次に、その業務について「当該業務での立場、役割」を書きます。
「立場」とは、その業務を補助担当者、主担当者、責任者、リーダー、主任技術者、管理技術者、総括者、調整役などのいずれとして実施したかです。ただ、技術士に求められるのは「高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」(「技術士法」第2条)を自ら行う能力であるため、補助担当者として実施したよりは主担当者、責任者、リーダー、主任技術者、管理技術者、総括者、調整役などとして実施したと記述した方が評価が高くなるので、できるだけそのように記述します。どうしても補助担当者としか書けない場合は、補助担当者ではあるが実質上責任者として業務を実施した旨、又は業務全体から見れば補助担当者であるが業務詳細に書いた部分については責任者であった旨を明示します。
「役割」とは、当該業務のうちのどの部分を担当したかです。
また、全体で 720 字という制限があり(「技術士試験の概要」の 5 の 31 ページ)また立場と役割は分かりさえすればよいので、字数節約のために両方をまとめて 1 行程度で簡単に書きます。例えば、「私の立場、役割」のような項目を設けて「責任者として業務全体を担当した。」のように書きます。
(3) 成果等
 (a) 記述する項目
  (ア) 課題
「課題」という項目を設けて、当該業務の課題を記述します。課題とは、(2) で記述した業務概要と次の (イ) の「問題点」とを橋渡しする事項です。業務概要の次にいきなり「問題点」を書いても何故そのようなことが問題なのかが分かりにくい場合に、「問題点」に抵抗なく入っていけるようにするために書く事項です。例えば、「路線上に存在が予想される湧水帯の処理、市の重点施策であるライフサイクルコストの最小化。」などです。
したがって、もしそのような説明をしなくても「問題点」の内容がよく分かる場合は「課題」の項は不要です。
    (イ) 問題点
「問題点」という項目を設けて、当該業務又は上記の「課題」を遂行するうえで大きな障害となった事項(つまり、それを解決したのでその業務を無事に完了することができた事項)を記述します。
  (ウ) 提案
「提案」という項目を設けて、上記の問題点を解決するために自分が行った提案を記述します。
  (エ) 成果
「成果」という項目を設けて、上記の提案を実施した結果得られた成果を記述します。
 (b) 記述する形式
上記 2.2、(3)、(a)、(ア)〜(エ) のように「成果等」を 4 つの項目を設けて分けて記述するのは「成果等」の妥当性、信頼性、素晴らしさを試験委員によく理解してもらうためです。したがって、もし 4 つの項目に分割せずこれらの全体を一続きの文章で記述するなど他の記述形式にした方がもっと分かり易いと思えば、その形式にしても全く構いません。ただ、どのような形式を採用しても、その中に2.2、(3)、(a)、(ア)〜(エ) の 4 つの内容が実質的に明確に示されていること、業務概要から成果までの流れが淀み、飛躍なくよく分かることの 2 つが不可欠と思われます。
 (c) 記述する内容
  (ア) 自己技量成果の記述
「成果」としては「自分の技量で上げた成果」、つまり「自分が工夫して自分のアイディアで得た成果」、つまり「もし自分が携わっていなければ失敗に終わっていたであろう業務を自分の力で成功へと導いた成果」(以下、これを「自己技量成果」と称します。)を記述します。
自己技量成果は、「自分がした工夫」、「技術士としてふさわしい業務実績」、「技術士にふさわしい業務実績」、「技術士資格を既に有している者が上げるであろう業務実績と同等の業務実績」とも言えます。
自己技量成果は、仕様書や上司からの指示によるのではなく、自分で業務実施上の問題点を見出し、自分でその解決案を立案し、自分でその解決案を実行して業務を成功へと導いて行くことができることの証明です。つまり、自力で「計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」(「技術士法」第 2 条第 1 項)を行うことができることの証明です。
自己技量成果は、受験者から見ると「これだけの成果を上げたということは、技術士と同等の能力を有しているということだ。だから技術士資格をよこせ。」という請求書であり、試験委員から見ると技術士に相応しいか否かを判断する最も重要な判断材料の 1 つです。明確に記述します。
  (イ) 自己技量成果の源は「困った」、「おかしい」
自己技量成果と言われてもそんなものはないと思うかもしれません。しかし、1 つの業務を実施する過程では、必ず 1つや 2 つは問題が生じたはずです。問題とは「困った」、「おかしい」です。「困った」とは、例えば予算が足りない、工期が短すぎる、材料がない、実験結果が予想に反したものとなった、不具合の原因が全く分からない、先行業務に誤りがあることが判明したが今からではそれを修正できない、会社として初めての海外業務であり事情が全く分からない、担当者全員が寄せ集め部隊なのでばらばらで統制が取れない、利害関係者が多くて意見調整ができない、……などなどです。「おかしい」とは、例えば仕様書のとおりに実施すると多額の無駄な経費をかけることになる、現計画のとおりに実施すると品質を保証できない可能性が高い、この業務は通り一遍のやり方で何の問題もなく完了すると予測されるがそれでいいのか、……などなどです。別の言い方をすると、「困った」、「おかしい」は 2.2、(3)、(a)、(イ) に言う「問題点」です。
しかし、今は既にその業務を完了しているのですから、その問題が生じたときに何らかの工夫をしてそれを解決したはずです。その解決の過程と結果が自己技量成果です。ですから、自己技量成果は探せばいくらでもあるはずです。
それらのうちから最も大きな成果を上げたものを「業務内容の詳細」欄に記入します。最も大きな成果を上げたものとは、その業務が実行不能になるほどの大問題を解決したもの、最も高度な知識・技術・見地・判断力などによって達成したもの、最も多額の経費削減を達成したもの、最も大きな品質改善を達成したもの、それまでの考え方を最も大きく転換したもの、最もよく工夫したものなどです。
したがって、自己技量成果は誰でも書けることです。
  (ウ) 数値による自己技量成果の記述
自己技量成果は、試験委員がよく理解できるようにするために、可能な限り数値で記述します。例えば、「材料を大きく節減することができた」ではなく、「材料を約 51 kg、約 26 % 節減することができた」のように記述します。
  (エ) 自己技量成果の高低、大小は不問
もし自己技量成果が高度技術に関する成果、巨額の経費削減を達成した成果、大型業務における成果などであればそれに越したことはありませんが、このようなことは自己技量成果に求められる必要条件では全くありません。例えば、この成果は僅かな経費削減しか達成しなかったから、小規模業務での成果だから、などの理由で自己技量成果として書くのをためらうのは誤りです。低度技術に関する成果、僅かな経費削減しか達成しなかった成果、小型業務における成果などであっても、それが自らの自己技量成果でありさえすれば「成果」として記述するに十二分に値するものであると思われます。
これは、例えば高度技術に関する業務を担当すれば自己技量成果も高度技術に関するものとなるなど自己技量成果の高低、大小は自分がどのような業務を担当するかに大きく依っており、かつ自分がどのような業務を担当するかは自分が所属する組織の特性、組織内での上司の指示、転勤など自分の希望や力では選択することができない条件によるところが大きいからです。自分の希望や力では選択することができないことを技術士試験の合否判定の判断材料とするのは明らかに誤りだからです。別の言い方をすると、技術士として相応しいか否かは自己技量成果をもたらした工夫の過程によって判断されるからです。
  (オ) 自己技量成果の新旧は不問
もし自己技量成果が最新の技術に関する成果、最近に実施した業務における成果などであればそれに越したことはありませんが、このようなことは自己技量成果に求められる必要条件では全くありません。例えば、この成果は古いから、ずっと以前の業務の成果だから、などの理由で自己技量成果として書くのをためらうのは誤りです。確かに、試験委員の側から見ると、古い技術に関する成果、ずっと以前に実施した業務における成果の評価には、当時の社会の技術水準、指針・規定等が現在とは異なるので若干の困難が伴います。しかし、それが自らの自己技量成果でありさえすれば「成果」として記述するに十二分に値するものであると思われます。
これは、業務を実施した時点の社会の技術水準、指針・規定などを基礎としてそれにどの程度の工夫、改善を加えたかが技術士として相応しいかどうかの判断基準であるからです。業務を実施した時点がいつであろうとも、「それにどの程度の工夫、改善を加えたか」には違いがないからです。別の言い方をすると、技術士として相応しいか否かは自己技量成果をもたらした工夫の過程によって判断されるからです。
  (カ) 自己技量成果の確定・未確定は不問
自己技量成果は、その妥当性が客観的に確定した時点のものであることが望ましいです。例えば、橋梁基礎地盤設計が自己技量成果である場合、その設計に基づいてその橋梁の建設が完了し、供用開始され、その後一定期間支障なく運用された時点(つまり、橋梁基礎地盤設計の妥当性が客観的に確定した時点)のものであることが望ましいです。これは、客観的に確定した時点のものであれば試験委員はその自己技量成果の妥当性を検証する必要性が低いためその自己技量成果を安心して評価することができるからです。
しかし、その妥当性が客観的に確定した時点のものであることは自己技量成果に求められる必要条件では全くありません。例えば、橋梁基礎地盤設計が自己技量成果である場合、橋梁基礎地盤設計しか完了しておらず建設には全く未着手である時点のものであっても「成果」として記述するに十二分に値するものであると思われます。これは、例えば橋梁基礎地盤設計が完了してからその橋梁が一定期間支障なく運用されるまでには短くても数年の、長い場合はそれよりもはるかに長期間の時間が必要であるなど一般に自己技量成果の妥当性が客観的に確定するにはかなりの時間が必要ですが、経験年数の少ない受験者(つまり、若い受験者)の場合はそのような時間がない場合が多いからです。技術士試験は年齢に関わらず優秀な技術者を発掘することを目的としているので、受験者が若いことをもって受験者に不利な判断材料とするのは明らかに誤りだからです。
  (キ) 既定方針に従って実施したことのみの記述の回避
既定方針に従って業務を実施したことのみを「成果」として書くことは控えなければなりません。例えば、次の (i)〜(vi) などのことは控えなければなりません。
(i) 実施した業務の内容(数量、工期、実施方法、結果など)のみを書く。
(ii) 仕様書、特記仕様書、客先からの要望、客先からの指示などによく合致するように実施したことのみを書く。
(iii) 関係する多数の規程、基準、指針、ガイダンスなどを漏れなく調べ上げてそれら全てによく合致するように実施したことのみを書く。
(iv) 工期の短い大型業務を工期内に遅滞なく実施したことのみを書く。
(v) 新技術や高度な技術を採用して実施したことのみを書く。
(vi) 上記 (i)〜(v) のうちのいくつか又は全部を組み合わせた内容のみを書く。
これは、このようなことは技術士でなくても行うことが十分に可能だからです。つまり、このようなことは「成果」の項が求めていることとは無縁だからです。

「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」の更新と解説 2019年版

  (ク) 他からの評価のみの記述の回避
「業務完了後、客先から○○のお褒めの言葉を頂戴した」、「この業務に関連して○○賞を受賞した」などのことを記述するのは構いませんが、これは単なる他からの評価です。自己技量成果ではありません。他からの評価を記述する前に必ず自己技量成果を具体的に記述することが大切であり、それを十分に記述することのないまま他からの評価を「成果」として記述することは控えなければならないと思われます。当該業務に関連しての特許取得、論文発表、資格取得なども同様と思われます。
これは、その「成果」が技術士試験合格に相応しいものであるか否かの判断は試験委員の専決事項であって試験委員以外が行うことではないからです。つまり、他からの評価はあくまで刺身の妻だからです。
もし、業務実施結果を論文にして発表している場合で、その論文を業務詳細に書く場合で、かつその論文が共著である場合は、自分が筆頭著者である論文を書くようにします。これは、一般に、筆頭著者以外は責任者として業務全体を実施したとは認められにくいからです。
  (ケ) わくわく感の付与
口頭試験においては業務詳細を口頭で説明することを求められると推測されますが、この説明のときに最も大切なことはわくわく感を持たせるように説明することです( 「第二次口頭」の 3.2、(2) )。口頭試験においてそのように説明するためには、業務詳細をそのような説明をしやすい形に記述しておくことが大切です。特に、「第二次口頭」の 3.2、(2) に言う (ア)事業に大きな影響が予想された、(イ)この問題の解決法候補については○○の不安があった、(ウ)この不安を解消し最善の解決法がいずれであるかを確定するために○○の詳細検討を実施した、の 3 点をストーリー性を持たせて分かりやすく記述しておくことが大切です。つまり、自己技量成果を得た過程を詳細にかつわくわく感を与えるように記述しておくことが大切と思われます。
  (コ) 自己完結度高い記述
試験委員は「成果等」を読んだときにその内容に疑問や不審を持つとそれを解消するために口頭試験の場で多くの質問を発するので、「成果等」を記述するに当たっては、「そこそこ書いておこう」、「口頭試験での説明のための資料集の形にしておこう」、「気楽に行こう」のような考えは禁物です。試験委員がその内容に疑問や不審を持たないように、細心かつ最大の注意を払って、分かりやすく、論旨明快に、自己完結度高く仕上げる必要があると思われます。
  (サ) 調整
既にお気づきと思いますが、上記 (c)、(ア)〜(コ) のように書くことに気を取られると (a)、(b) がおろそかになりがちです。(ア)〜(コ) が完成したら (a)、(b) をよく満たしているかどうか確認・修正し、修正後に (ア)〜(コ) を満たしているかどうかを確認・修正し、修正後に (a)、(b) をよく満たしているかどうか確認・修正し、……を繰り返して、最終的には (a)、(b)、(ア)〜(コ) の両方をよく満たすように仕上げます。特に、(b)(ケ) の2つをよく満たすように仕上げます。
  (シ) 体裁上の留意点
   (i) 空白スペースの配置
「業務内容の詳細」欄に記入する文字は 720 字以内でなければなりませんが、空白スペースは字数として計数はされないので、空白スペースを有効に配置して見やすく仕上げます。空白スペースとしては、ある行の先頭桁位置から当該行の先頭文字まで、強制改行記号から行末まで、文字と文字の間、1 行丸々などがあります。
   (ii) 強調
下線付加、太字・ゴシック体、文字サイズの拡大・縮小などの使用制限はないので、これらにより強調すべき箇所を明示します。ただし、これらの機能は Adobe Reader にはありません。
   (iii) 環境依存文字の活用
環境依存文字の使用制限はないので、⑴、㎤、№など全角 1 字分のスペースに多くの文字を収録できる文字を活用して字数の縮減を図ります。
   (iv) 字数調整に要する時間の短縮
    (α) 文書作成アプリケーションの利用
「業務内容の詳細」欄は 900 字、27 行までしか入力できませんが、業務詳細作成途中においてはこの制限を超える字数、行数を入力する必要に迫られることも多いので、同欄上で業務詳細作成作業をすることは実際問題としては困難です。業務詳細は適当な文書作成アプリケーションで完成し、完成した業務詳細を同欄に貼り付け、同欄上では最終の微調整のみを行うことにより時間短縮を図ります。
    (β) 制限字数 900 字の意味
日本技術士会は『業務内容の詳細』欄は『半角文字も1文字とする』、『最大 900 文字入力できる様式です』としています(「技術士試験の概要」の 7、2 ページ目)。『最大 900 文字入力できる』とは、文字を入力することができる領域(以下、これを「入力可能領域」と称します。)が 900 字分あるということです。これは次の [1]、[2] への配慮のためではないかと推測されます。
[1] 入力途中においては一時的には 720 字を大きく超えた字数となることもあること。
[2] 空白は字数として計数されないので、空白を設けて入力完了した場合はその空白分だけ余分の入力可能領域が必要となること。例えば、合計で 125 字分の空白スペースを設けて文字 720 字を入力完了した場合は 845(=720+125)字分の入力可能領域が必要となること。
つまり、『最大 900 文字入力できる』は、単に入力作業をし易くするための設定ではないかと推測されます。
    (γ) 超過字数の調整
2 万通強の受験申込書全ての業務詳細が 720 字を 1 字たりとも超過していないかどうかを確認することは実際問題として困難であるため日本技術士会はそのような確認はしていないと推測されること、字数超過の有無を厳密に確認するよりも業務詳細が合否決定基準に合致した内容のものであるか否かを確認する方が遙かに重要であることの 2 点により、そのような僅かな字数超過は受験申込書受理又は口頭試験のいずれの段階においても問題とならないと推測されます。したがって、720 字を極く僅かだけ超過した場合でかつその超過分を削除するためには膨大な時間を要する場合は、その削除は行わないで超過したままとしておくことにより時間短縮を図ります。
ただ、100 字、150 字というような大幅な超過は一目で分かるのでそのような超過はしないのがよいのではないかと推測されます。
    (δ) 字数計数サイトの利用
字数計数を目視、手作業で行うと時間がかかりまた計数間違いも起きやすいので、字数計数サイト(例えば、「文字数(バイト数)カウント」(株式会社 luft)の「全角・半角共に 1 文字として換算した文字数(改行、空白は除く)」の項)を利用して時間短縮を図ります。
    (ε) 補足
受験申込書様式作成技術が向上すれば、受験申込書印刷時点ではなく業務詳細入力中時点から既にその字数を自動的に計数して計数した字数を受験申込書の所定の欄に表示するなど、字数管理が自動化されるのではないかと推測されます。したがって、僅かな字数超過が問題とならないのはそれまでの過渡期的なものではないかと推測されます。
  (ス) 技術士の方の意見の拝受
技術士が何百人もいるような大きな組織の多くでは組織としての受験支援体制も確立しておりまた自分の受験予定の選択科目と同じ選択科目の多数の技術士が日頃から机を並べて業務をしているので受験に関する相談もし易く、その意味で、自分の受験予定の選択科目と同じ選択科目の技術士が組織全体で 1 人もいないような小さい組織に所属する受験者は少し不利な状況にあることは否めません。業務詳細についてこの不利を埋めるためには外部の技術士の方の援助を仰ぐことも一策と思われます。このような援助を有料、無料で行っている組織もあるようですので、御相談されるのがよいかもしれません。
業務詳細を見てもらう場合には、完成後に、自分と同じ選択科目の、経験の深い、複数の技術士の方に見てもらいます。
技術士の方に見てもらうのは、自分で書いた業務詳細の問題点を口頭試験で試験委員が指摘し、質問してくるわけですが、そのような問題点に自分では気づかないこともあるからです。
自分と同じ選択科目の技術士の方に見てもらうのは、選択科目が異なると頂く御意見が上滑りになり技術的内容に踏み込んだ御意見を頂けないからです。例えば、自分が「鋼構造及びコンクリート」で受験する場合に「土質及び基礎」の技術士の方に見てもらっても技術的内容に踏み込んだ御意見を頂けないからです。
経験の深い方に見てもらうのは、技術士試験合格直後のほやほやの方と合格後に更に 10 年、20 年の長期間の経験を積んだ方とでは自ずと着眼点が大きく異なり、しかも試験委員は例外なく後者のような方だからです。
複数の方に見てもらうのは、技術士の方でもお 1 人ずつ専門、経験、興味の中心などが異なるので、同じ 1 つの業務詳細を見てもらっても、ある方は「これは業務詳細としてよくできている。十分に合格レベルだ。」と仰るのに他の方は「これは業務詳細としては全然だめだ。これでは不合格だ。」と仰るなど、最重要点についてさえ正反対の御意見を頂くこともしばしば出てくるからです。つまり、個々の技術士の方の仰ることが必ずしも一致せず、また必ずしも正しいとは限らないからです。
なお、次の (i) は (ii)、(iii) と関連するので、(i) を見ていただくときには (i) だけでなく受験申込書の全体を併せて見ていただくのがよいと思われます。
    (i) 業務詳細
    (ii) 技術部門、選択科目、専門とする事項
    (iii) 業務経歴表の記入内容
  (セ) 自力による十分な吟味
しかし、技術士の方に見てもらったからこれで大丈夫だと安心するのは早計ですし、技術士の方に見てもらう機会がないと言って嘆く必要もありません。なぜなら、技術士の方も、上記のように御自分の専門、経験、興味の中心などに基づいて最も重要と思うことをしかも限られた時間の中で指摘してくださるのみであり、全てについて完璧な視点から指摘していただくことを期待するのはそもそも無理だからです。上記 2.2、(3)、(c)、(ス) に示したように、ある方は「これは業務詳細としてよくできている。十分に合格レベルだ。」と仰るのに他の方は「これは業務詳細としては全然だめだ。これでは不合格だ。」と仰るなど、最重要点についてさえ正反対の御意見を頂くこともしばしば出てくるからです。
しかし、自分で次の (i)〜(ix) のような点について細部にわたってよくよく吟味すれば問題点は自ずと見えて来ます。また、上記のように正反対の御意見をいただいた場合でも自分で改善できます。また、そのようにして多くの点についてよく吟味しておいた方が口頭試験で思いがけない質問をされたときに狼狽えないで対応できます。
    (i) この業務詳細はこの技術部門、選択科目、専門とする事項に合致しているか。
    (ii) この業務詳細はこの業務経歴に合致しているか。
    (iii) 何が自己技量成果であるかと自己技量成果を得た過程とを明確に示せているか。
    (iv) 明らかな技術的誤りはないか。
    (v) 論旨展開に飛躍、誤りはないか。
    (vi) 章立て、冗長表現、言い回し、用語、改行など文章推敲が不十分な箇所はないか。
    (vii) 句読点、括弧記号、文字強調など文字推敲が不十分な箇所はないか。
    (viii) 日本語として曖昧さ、文法的誤りはないか。
    (ix) 日本語として分かりやすいか。
    自分で吟味するときに大切なことは、次の (α)〜(δ) です。
    (α) 見ず知らずの赤の他人がこの業務詳細を書いたと思って吟味する。
    (β) 書いてある文字だけによって内容を理解できるかを吟味する。
    (γ) 一字一句を全て吟味する。
    (δ) 誤りやごまかしを 1 つでも多く見つけ出す積もりで吟味する。
間違っても、自分の業務詳細だと思って読まないことです。
技術士の方に見ていただくことは、問題点を洗い出すよいきっかけにはなりますが自分で十分に吟味することには遥かに及びません。自分で十分に吟味することだけが漏れのないかつ抜本的な改善を可能にすると思われます。
また、業務詳細を完成した後に、次の [1] が [2]、[3] と整合的であるか否かについても、再度自分で十分に吟味することが重要と思われます。
    [1] 業務詳細
    [2] 技術部門、選択科目、専門とする事項
    [3] 業務経歴表の記入内容
  (ソ) 自己技量成果への不言及
なお、自己技量成果を受験申込書に何も書かず口頭試験でも何も説明しないで 2.2、(3)、(c)、(キ)、(i)〜(vi) のようなこと(以下、これを「単純実施成果」と称します。指示に基づいて業務を単純に実施したという成果という意味です。)のみを書いてかつ口頭試験でもそのようなことのみ説明すると合格しないということでは、当然ながら、決してありません。そのようにしても実力があれば十分合格すると思われます。
ただ、同じ実力の方が 2 人いて、1 人は自己技量成果を書いて説明し、他の 1 人は単純実施成果のみを書いて説明したとすると、自己技量成果を書いて説明した方のほうが評価つまり合格する確率が遥かに高くなると思われます。

2.3 受験申込書についてのその他の留意点

2.3.1 当該年度の受験申込書の使用
 受験申込書の様式はここ数年大きく変化しています。これは、記入方法が分かりにくいとの受験予定者からの質問、一目瞭然にして欲しいとの口頭試験委員からの要望などを反映して漸次改善しているためと推測されます。したがって、受験申込書は必ず当該年度の様式のものを用いて作成します。
2.3.2 規定に則った記入
 受験申込書の書き方の技術上の規定が「技術士試験の概要」の 57 にあるので、受験申込書はこれらの規定に則って記入します。
2.3.3 余裕を持った提出
 提出した受験申込書は提出後すぐに点検され、この点検で記入漏れ、年数要件不適合など重大な間違いが認められた場合は日本技術士会から申込書が返送されるので、修正のうえ再提出しなければなりません。この修正、再提出に余裕を持って対応できるように、最初の提出は申込期限の 10 日程度以上前に行うのがよいと思われます。
2.3.4 早期の準備開始
 「業務内容の詳細」欄の記入方法はここ数年変化がなく全く同じであり、また 2.3.3 に示すように受験申込書は早めに提出する必要があり、加えて業務詳細の完成にはかなりの時間を要します。
 したがって、受験予定の前年に受験申込書を日本技術士会のウェブサイトからダウンロードしておき、それを用いて業務詳細の作成を早めに(遅くても受験予定年の年明け早々には)開始するのがよいと思われます。ただ、日本技術士会は受験申込書受付期間を過ぎると受験申込書(「技術士試験の概要」の 7)、受験申込案内(「技術士試験の概要」の 5)をウェブサイトから削除するので、これらの書類を前年の受験申込書受付期間の末日までにダウンロードしておかなくてはなりません。また、ダウンロードしたファイルの紛失、破損などの場合に備えて、ダウンロードしたらすぐに、未記入の受験申込書を印刷して、印刷したものも保管しておきます。もし、ファイルも印刷したものもなくした場合は、通常の文書作成ソフトウェアを用いて業務詳細(720 字以内、全角文字・半角文字ともに 1 字として計数、図表不可、カラー不可。)だけでも早めに作成開始するのがよいと思われます。
2.3.5 コピーの保存
 上記 1 に示すように口頭試験においては試験委員は受験申込書に基づいて口頭試験を進めるので、口頭試験に合格するためにはこれに記入したことをよく覚えておかなければなりません。したがって、提出前に受験申込書のコピーを取っておくのがよいと思われます。


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