技術士試験講座





(2016.11.15 1 の項更新。)
(2016.09.01 1 の項追加。)
(2016.06.05 更新。)

不合格対策総合技術監理部門口頭面接

(本ページは総監の口頭試験についてのみ記載しています。)

         総監以外の部門の口頭試験は こちら

         総監の記述式問題は こちら


「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」の更新と訂正 2016年版

1. 口頭試験の概要

1.1 口頭試験の手順

 口頭試験は、1人ずつ、次の(1)〜(4)の手順で行われます。
(1) 待機
口頭試験会場は、例年、東京渋谷にあるフォーラムエイト(FORUM 8)というビルです。このビル内の指定された受付に行き受付を済ませると、控え室を指定され、自分の面接開始時刻の少なくとも10分前には控え室にいるように指示されるので、控え室で待機します。控え室は50〜60名くらい入る大きな部屋で、禁煙で、待機中の人が常時10人くらいいます。控え室ではなく近くの喫茶店など別の場所で待機することは自由です。
面接開始時刻の10分前になったら、係員が控え室に来て自分の受験番号を「○○番の方。」と呼ぶので、その係員の指示に従って面接室の前の廊下へ移動して、そこの長椅子に座って試験の開始を待ちます。
荷物の一部又は全部を控え室に置いておくことは許可されません。
(2) 入室
面接室の中から係員が出てきて「○○さんですか。」、「どうぞお入りください。」と言うので指示に従って入ります。このときもしドアが閉まっていたら、ドアをノックをして中からの応答を確認した後に入ります。
面接室は30人くらいは入れる比較的大きな部屋で、事務用の小型テーブルを前にして試験委員が2名(場合によっては3名)座っており、試験委員の正面3mくらい離れた位置に受験者が座る椅子が置かれており、その傍に荷物置き台があります。試験委員のうち1名の方が全体の司会役であり 「技術士試験と受験申込書(願書)の書き方」(以下、これを「試験と申込書の書き方」と称します。)」の2 に言う「技術士制度の認識その他」、「技術者倫理」の担当を兼ねており、他の1名の方が技術担当の試験委員です。
受験者用の椅子の横まで行き、「受験番号○○番の、○○です。よろしくお願いします。」と受験番号、氏名を告げます。
荷物を置く場所を指示されたら「ありがとうございます。」と言ってからそこに荷物を置きます。言われる前に置いたり、何も言わないで置いたりしないようにします。
「お座りください。」と言われたら「失礼します。」と言ってから座ります。言われる前に座ったり、何も言わないで座ったりしないようにします。
(3) 試験
試験は、試験委員が質問し受験者がそれに答えることを繰り返す形で進められます。質問は普通は次の(a)〜(d)についてこの順番で行われます。()の前は 「試験と申込書の書き方」の2 が示す「試問事項」であり、末尾の()内は試問の対象となる文書又は具体的内容です。
(a) 技術的体験を中心とする経歴(受験申込書の「勤務先における業務経歴」、「業務内容の詳細」)
(b) 応用能力(「II 選択科目」答案、「III 選択科目」答案)
(c) 技術者倫理(技術士としてのあるべき倫理観)
(d) 技術士制度の認識その他(技術士法、CPD)
上記(a)の末尾の()内に示す 2 つの文書の書き方については 「業務経歴と業務内容の詳細の書き方」 (以下、これを「業務経歴の書き方」と称します。)を御覧ください。
上記は総合技術監理部門(以下、これを「総監」と称します。)以外の部門の場合ですが、総監の場合は(b)の()内が「「I 必須科目」答案」となり、(d)の()内が「CPD」のみとなります。
上記の他に受験動機について質問されることがあり、その場合は(a)の一部として質問されることが多くまれに(d)の一部として質問されます。
司会担当の試験委員が(c)、(d)に、技術担当の試験委員が(a)、(b)に、それぞれついて質問します。技術担当の試験委員は事前に受験者の(a)、(b)の末尾の()内に示す計4つの文書(つまり、「勤務先における業務経歴」、「業務内容の詳細」、「II 選択科目」答案、「III 選択科目」答案の計4つの文書。以下、これを「提出文書」と称します。)をよく読んで問題点の整理を済ませたうえで待ち受けています。(a)のうちでは、最も問題が大きいと試験委員が考える事項から順に質問します。(b)についても同様です。受験者が(c)、(d)についてどのような知識を有しているかについては試験委員は事前には何も資料、情報を得ていないので、試験委員は(c)、(d)についてはこの程度の知識は必要だという一般的な水準を決めてそれを満たしているかどうかを確認する質問をします。
室内にホワイトボードなど受験者が説明のために利用できるものがありかつ試験委員の許可が得られた場合はそれを利用することができます。ホワイトボードなどは口頭試験用に用意したものではなく単なるその部屋の備品ですので、そのようなものがない場合もあります。
試験中はメモを取ること、資料を見ることは許可されません。
(4) 退室
試験終了後は、椅子の傍に立って「有り難うございました。失礼します。」と言ってから退室します。
試験終了後は控え室に戻ることは許可されません。

1.2 口頭試験における諮問事項(質問内容)

1.2.1 総監以外の部門
 総監以外の部門では、諮問事項(質問内容)は、簡単に言えば 1.1、(3) のようです。ただ、詳細に見ると、「試験と申込書の書き方」の2 は、諮問事項は次の(a)、(b)のようであると規定しているので、これが何を意味するのかを見ておきます。
(a) 筆記試験における答案(総合技術監理部門を除く技術部門については、課題解決能力を問うもの)及び業務経歴を踏まえ実施する(2.、(2)、丸付き数字2の項)
(b) I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容及び応用能力
        1.経歴及び応用能力 60点満点
  II 技術士としての適格性及び一般的知識
        2.技術者倫理 20点満点
        3.技術士制度の認識その他 20点満点(2.、(3)、丸付き数字2の項)
 (b)のIIは明確なので今は検討の対象から除外するとします。そのうえで残りの部分の諮問事項だけを要約して取り出すと、(a)は次の(c)のようになり(b)は次の(d)のようになります。
(c) 筆記試験における課題解決能力を問う問題の答案、業務経歴
(d) 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容及び応用能力
 上記(c)、(d)が異なる表現を用いているので、なぜわざわざ異なる表現を用いているのかが容易には分からず悩ましいところですが、(c)、(d)の両方について試問されると考えて口頭試験の受験準備は行わざるを得ません。そのうえで、(c)、(d)が何を意味するのかを少し詳しく見てみます。
 まず、(c)の「業務経歴」と(d)の「技術的体験を中心とする経歴」とは、おそらくは同一のものであり、受験申込書の「勤務先における業務経歴」、「業務内容の詳細」の計2つの欄に記入した内容を指し示しているのではないかと推測されます。
 次に、(c)の「筆記試験における課題解決能力を問う問題の答案」ですが、筆記試験において「課題解決能力」を問う問題は「III 選択科目」の問題のみである(2.、(1)、丸付き数字2の項の表、「問題の種類」の欄)ので、「課題解決能力を問う問題の答案」は「III 選択科目」答案であろうと推測されます。
 次に、(d)の「応用能力」ですが、これは次の(ア)、(イ)の2つのどちらであると考えればよいのかが一読しただけでは容易には分かりません。
(ア)「「技術的体験を中心とする」が「応用能力」を修飾していない」と考える
(d)においては「応用能力」という文言は「筆記試験における応用能力を問う問題の答」という形でではなく「受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容及び応用能力」という形で示されているため「技術的体験を中心とする」が「応用能力」を修飾していないと考えることも修飾していると考えることも共に可能です。まず、本項((ア)の項)では、修飾していないと考える場合について検討します。修飾していない場合は、単に「応用能力」と示されていることとなるので、この「応用能力」は「業務内容の詳細」、「勤務先における業務経歴」、「III 選択科目」答案、「II 選択科目」答案、その他全てにおいて示される応用能力(つまり、一般的な意味での応用能力全般)となります。したがって、質問は「業務内容の詳細」、「勤務先における業務経歴」、「III 選択科目」答案、「II 選択科目」答案、その他の全てについて行われることとなります。
(イ)「「技術的体験を中心とする」が「応用能力」を修飾している」と考える
次に、「技術的体験を中心とする」が「応用能力」を修飾していると考える場合について検討します。この場合はこの「応用能力」は「技術的体験を中心とする応用能力」と示されていることとなるので、この「応用能力」は、明らかに「技術的体験」に的を絞っておりしたがって「業務内容の詳細」、「勤務先における業務経歴」に示される応用能力(つまり、経歴に示される応用能力)という意味である、と一見思いがちです。しかし、「技術的体験を中心とする」は「技術的体験における」ではありません。あくまで、「中心とする」です。つまり、「技術的体験」以外のものについても試問する余地を残しています。したがって、この場合も質問は「業務内容の詳細」、「勤務先における業務経歴」、「III 選択科目」答案、「II 選択科目」答案、その他の全てについて行われることとなります。
 以上を取りまとめると、口頭試験における質問は「業務内容の詳細」、「勤務先における業務経歴」、「III 選択科目」答案、「II 選択科目」答案、その他の全てについて行われることとなります。
 ただ、実際には、殆どの方は「業務内容の詳細」、「勤務先における業務経歴」、「III 選択科目」答案の3つについてだけ質問されており、「II 選択科目」答案について質問された方はほんの僅かのようです。また、「II 選択科目」答案について質問された方は、「II 選択科目」答案、「III 選択科目」答案が非常に優秀で合格基準を大きく超えておりかつ「II 選択科目」答案の一部に不首尾があるなど特殊な得点構成となっている方のみのようです。
 したがって、再確認になりますが、質問内容は 1.1、(3) に示したとおりとなります。また、「II 選択科目」答案については、まれに質問されることがあるので準備はしておくことが必要と思われます。
1.2.2 総監
 総監でも、諮問事項(質問内容)は、簡単に言えば 1.1、(3) のようです。ただ、詳細に見ると、「試験と申込書の書き方」の2 は、諮問事項(質問内容)は次の(a)、(b)のようであると規定しています。
(a) 筆記試験における答案及び業務経歴を踏まえ実施する(2.、(2)、丸付き数字2の項)
(b) I 総合技術監理部門の必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び応用能力
        1.体系的専門知識 40点満点
        2.経歴及び応用能力 60点満点(2.、(3)、丸付き数字2の項)
 上記(a)、(b)の諮問事項だけを要約して取り出すと、(a)は次の(c)のようになり(b)は次の(d)のようになります。
(c) 筆記試験における答案及び業務経歴
(d) 総合技術監理部門の必須科目に関する技術士として必要な専門知識、経歴及び応用能力
 したがって、総監の場合は口頭試験の諮問内容は、比較的に明確であり、筆記試験答案、「勤務先における業務経歴」、「業務内容の詳細」の3つです。ただ、実際には、筆記試験答案のうち択一式問題答案(つまり、「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系(第2版)(公益社団法人日本技術士会 2004)」(以下、これを「総監の技術体系」と称します。)の内容そのもの)について質問されるのは択一式問題の得点が20点程度以下と著しく低い場合のみでありそれ以外の場合は質問されないようです。つまり、殆どの方は筆記試験答案のうちでは記述式問題答案についてのみ質問されます。
 また、上記から明らかなように、「技術士法」については質問されません。しかし、「技術士法」は技術士にとって大変重要な法律なので、何かの弾みで「技術士法」に話が及び例えば「技術士の義務責務については知りません」のような解答をすると恐らくですが不合格になると推測されます。したがって、同法は諮問事項には含まれていませんが十分な準備をするのがよいと思われます。

1.3 口頭試験の合格率と不合格原因(不合格理由)

 過去数年の実績では口頭試験の合格率は概ね90%です。つまり、よほどのことがない限り不合格にはならないのでその点は一応安心です。しかし、もし不合格になると、再度筆記試験から受け直さなければならないこと、口頭試験で不合格になったという目で周囲から見られることの2つのため精神的な打撃はかなり大きいので、できれば1回で合格したいものです。
 口頭試験で不合格になった方からお聞きしたところでは、不合格になる原因(不合格理由)のうち主なものは次の(1)〜(3)の3つのようです。
(1) 提出文書の不首尾
提出文書のいずれか又は全部に不首尾があると、試験委員はそれに的を絞って質問してきます。そのため、提出文書に不首尾がある場合は多くの場合に、解答しても試験委員の満足を得ることができない状況になり不合格となると思われます。
口頭試験で不合格になった場合には再度筆記試験から受け直さなくてはなりませんが、これは口頭試験不合格の原因が提出文書の不首尾にあった場合は筆記試験から受け直さない限り提出文書の不首尾(つまり、不合格の真の原因)を改善することができないからです。
口頭試験不合格の原因としてはこれが最も多いようです。
このことは、上記のこと、次の(2)は口頭試験当日に自分が注意すればほぼ防げること、(3)は全不合格者に占める割合としては極く僅かであることの3つを併せ考慮すると、あくまで推測の域を出ませんが、口頭試験で合格となるか否かの大勢は口頭試験当日の受け答えによって決まるのではなく口頭試験当日までにほぼ決まっていることを意味すると推測されます。したがって、口頭試験においては、提出文書に不首尾があって合否決定基準すれすれにいる場合はその不首尾を挽回することが、また提出文書を首尾よく作成することができている場合は口頭試験において合格を更に確実にすることが、何よりも重要であると思われます。筆記試験の重要性については 「第二次試験講座筆記試験」の1 も御覧ください。
口頭試験において提出文書の不首尾を挽回しまた合格を更に確実にするための方策については、2 以降の項目(総監以外の部門については「第二次試験講座口頭試験」(以下、これを「第二次講座口頭」と称します。)の 2 以降の項目) を御覧ください。
(2) べからずの禁
口頭試験にはしてはならないこと(つまり、べからず)が幾つかあります。べからずの詳細については 「第二次講座口頭」の6.9 を御覧ください。してはならないと分かっていてもしてしまうのがべからずなので、十分注意する必要があると思われます。
口頭試験不合格の原因としては上記(1)に次いで多いようです。
(3)「技術士法」の無知、技術者倫理の無理解
「試験と申込書の書き方」の2によれば「技術士制度の認識その他」については他から独立した項目としてそれだけで合否判定が行われ、また「技術士制度」の中心は「技術士法」ですので、同法については十分に勉強しておく必要があります(「第二次講座口頭」の6.1 も御覧ください。)が、同法について何かの質問をされたときに「分かりません。」、「知りません。」と解答すると、それだけでまず例外なく不合格になると思われます。これは、試験委員は「「技術士法」については当然知っているはずだ、知らないなら合格させることはできない。」と思って質問しているので、それがどんなに細かいことに関する質問であっても「分かりません。」、「知りません。」と解答すると「そんな細かいこと知らないよ。知らなくて何が悪い。」という意味に受け取られかねないからです。「技術士法」についての質問に限っては、そのような意味に受け取られないように丁寧に答えなければなりません。また、覚えたのに忘れた場合は、忘れたと正直に言わなければなりません( 「第二次講座口頭」の 6.7 も御覧ください。)。CPDも含め、受け答えにはくれぐれも注意が必要と思われます。
「技術者倫理」については、「技術士制度の認識その他」における「技術士法」のような必須文書はありませんが他から独立した項目としてそれだけで合否判定が行われるので、「技術士制度の認識その他」と同様に受け答えにはくれぐれも注意が必要と思われます。
口頭試験不合格の原因としては僅かですが希にあるようです。

2.「勤務先における業務経歴」への対応

2.1 Key Words の再記憶

 総監の口頭試験ですから、当然ながら Key Words(「Key Words」については 「総合技術監理部門講座筆記論文記述式問題」(以下、これを「総監講座記述式」と称します。)の1.3.3 を御覧ください。)がよく頭に入っていなければなりません。しかし、 Key Words は、筆記試験直後にはよく覚えていますが口頭試験は筆記試験から 6 カ月も先なのでその頃にはかなり忘れてしまっているはずです。したがって、Key Wordsについては、問われる以前に自ら進んで用いることができるように、何がKey Wordsなのかを口頭試験の直前によく覚え直しておくことが大切と思われます。

2.2 キーワードの積極的使用

 口頭試験は総監技術士としてふさわしいかどうかを最終的に判断するために行われるものなので、受験者としては、「総監の技術体系」の内容をよく理解しているかどうかを試験委員から質問される以前に自ら積極的に示す必要があります。これを示すために最も確実なのは適切なキーワード(「キーワード」については 「総監講座記述式」の1.3.3 を御覧ください。)を用いて解答することです。キーワードを用いないでこれを示すことは、不可能ではありませんが多くの労力と時間を要します。適所に適切なキーワードを配置するのがよいと思われます。

2.3 業務経歴の説明の練習

 「あなたの業務経歴を総合技術監理の視点から整理して述べてください。」のような質問がなされることがあります。このような質問に備えて、受験申込書の「業務経歴票」に書いた内容を基に次の (1)、(2) のようなことに留意して説明文を作成し、要領よく説明できるように練習しておくのがよいと思われます。
(1) 総合技術監理の視点からの説明
総合技術監理の視点から述べるとは、「業務経歴の書き方」の3.2、(3)、(c)、(イ) と同じように述べるということです。つまり、管理技術別に、キーワードを用いて、やさしく述べるということです。管理技術別に述べるのですから「経済性管理については、...」、「人的資源管理については、...」のように述べます。また、時間的に余裕があれば、例えば経済性管理について述べる場合は、経済性管理全体についてまとめて述べるのではなく、「第 1 に品質管理については、...」、「第 2 に工程管理については、...」のように「総監の技術体系」の目次の 2 桁見出しの区分と順序に沿って述べ、「総監の技術体系」の内容をよく理解していることを示します。このように述べるためには、当然ですが、「総監の技術体系」の見出し構成をよく覚えていなければなりません。 ただ、2 桁見出しの中には自分の専門から見て経歴を述べるうえで必ずしも重要でないものもあります。一般の方の場合であれば、経済性管理のうち「2.2 事業企画と事業計画」、「2.6 計画・管理の数理的手法」などの項は通常はさほど重要ではありません。そのような重要でない 2 桁見出しについては、時間の節約のため、逐一説明するのではなく「その他、事業企画と事業計画、計画・管理の数理的手法などについても、十分留意して業務に取り組んできました。」などのようにさらっと述べるにとどめます。短時間で説明することを求められた場合にも、同様に、いくつかの 2 桁見出しについてはさらっと触れるだけにして時間を短縮します。
(2) 類似の質問の想定
質問が「あなたの業務経歴を総合技術監理の視点から整理して述べてください。」ではなく、「日常の業務実施に当たってどのようなことに留意して取り組んでいるか、総合技術監理の視点から整理して述べてください。」、「総合技術監理の視点から見て成功した業務と反省すべき業務を1例ずつ述べてください。」などの形でなされることがありますが、これらへの解答の仕方も上記とほぼ同様と思われます。

2.4 他部門と共通の事項

 上記のほか、「勤務先における業務経歴」への対応については他部門と共通する事項もたくさんあります。そのような事項については 「第二次講座口頭」の2 を御覧ください。


「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」の更新と訂正 2016年版

3.「業務内容の詳細」への対応

3.1 総監技術士に相応しいことの提示

 受験申込書の「業務内容の詳細」欄に書いた内容(以下、これを「業務内容詳細」と称します。)について試験委員から説明を求められることがありますが、この説明にあたっては、業務内容詳細に記述した成果を上げたのだから総監技術士資格を既に有している者と同等の能力があるということだ、だから総監技術士資格をよこせ、という立場から説明することが大切と思われます。つまり、総合技術監理を既に十分に実施しているということを明確に提示することが大切と思われます。

3.2 自己技量成果の総合技術監理の視点からの説明

 業務内容詳細の説明は総合技術監理の視点から述べることが大切です。
 しかし、だからと言って、「この業務の実施に当たっては全体最適化に重点的に取り組んだ」、「業務全体を俯瞰して総合的な判断を行った」などと一般論を述べても、それは全く迫力がなく、また試験委員が求めていることでもありません。
 この説明では、自己技量成果(自己技量成果については 「業務経歴の書き方」の2.2、(3)、(d)、(ア)〜(オ) を御覧ください。)を具体的に説明することが大切です。例えば、(ア)この業務は○○問題のために頓挫しかけていた、(イ)この○○問題の根底には○○管理の○○、○○管理の○○などトレードオフの関係にある複数の問題があった、(ウ)これを解決するためには○○の詳細検討(例えば、○○試験、○○解析、○○現地調査など。)が必要であると考えこれを実施した、(エ)その結果により、全体最適化の観点から最も根本的解決を要する問題は○○と判断した、(オ)その判断に基づいて○○の対策を実施した、(カ)また、他の問題にも○○、○○などの対策を実施した、(キ)その結果本業務を無事完了し○○という大きな成果を得た、のように、業務全体を俯瞰した取り組みの過程を具体的に説明することが重要です。そのような取り組みこそが総合技術監理を行った証であり総監技術士に相応しい資質を有していることの証明ですので、取り組んだ過程をあくまで具体的に迫力を持って示すことが重要と思われます。

3.3 完成度高い技術業務の提示

 総監試験の目的はその受験者が総合技術監理を理解し実行しているか否かを確認することなので、5つの管理技術を俯瞰的な見地から駆使して最適化を実施していることを口頭試験においては示す必要があります。これは既に述べたとおりです。
 しかし、総監技術士に実施を求められることは、経理でもなければ労務管理でもなく技術業務です。つまり、総監技術士に求められることは、総合技術監理をよく理解し実行していることではなく技術業務を高い完成度で実行することです。総合技術監理はこの実行のための手段に過ぎないと思われます。したがって、その意味では、総監の試験の究極の目的は総監以外の技術部門のそれと同一であると思われます。
 したがって、試験委員は、総合技術監理を理解し実行していることは当然の前提であるとして一切問わず、その実行の結果として技術業務をどのように完成度高く実行したのかの明確な提示のみを求める場合があると思われます。その場合にもし総合技術監理を理解し実行していることを示すことのみに解答が終始するならば、逆に合格がおぼつかなくなると思われます。つまり、もし試験委員が技術的内容について繰り返し質問してきた場合は、総合技術監理を解答中に一切絡めないで総合技術監理を完全に離れて、技術的内容のみに的を絞って、完成度高い技術業務の内容とそのために行った究極の工夫のみを試験委員の質問によく合致した形で明確に提示することが必要と思われます。つまり、口頭試験の流れによっては、3.13.2に反するように思えるかもしれませんが、技術的内容のみを的確に解答するという臨機の対応が口頭試験合格のためには必要と思われます。

3.4 他部門と共通の事項

 上記のほか、「業務内容の詳細」への対応については他部門と共通する事項もたくさんあります。そのような事項については 「第二次講座口頭」の3 を御覧ください。

4. 解決応用問題への対応

4.1「総監の技術体系」の再記憶

 「試験と申込書の書き方」の2 は、必須科目では「「総合技術監理部門」に関する課題解決能力及び応用能力」を問う問題(以下、これを「解決応用問題」と称します。)が出題されその内訳は択一式問題と記述式問題であるとしており、また「口頭試験は、(中略)「筆記試験における答案(中略)を踏まえ実施する」としています(2、(1)の項)。したがって、解決応用問題答案(つまり、択一式問題答案と記述式問題答案)は口頭試験の対象となります。
 ただ、実際には、殆どの方は択一式問題答案(つまり、「総監の技術体系」の内容そのもの)については質問されず記述式問題答案についてのみ質問されています。「総監の技術体系」の内容そのものについて質問された方は例外なく択一式問題の得点が20点以下のようですので、もし自己採点による択一式問題の得点がこのように低い場合は万一に備えて「総監の技術体系」の内容を覚え直しておくのがよいと思われます。

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4.2総監技術士に相応しいことの積極的提示

 上記4.1 に示す理由により、以下本項( 4 の項)においては記述式問題への対応を述べます。
 一般に、口頭試験というものは個々の質問に対する解が完全であるかどうかを採点する試験ではなく合格とするに相応しい人物であるかどうかを印象的に判断する試験なので、質問される以前に自ら進んで、自分が合格となるに相応しい資質を有していることを十分に示さなければなりません。
 これは総監の口頭試験においても同じであり、そのためには次の(1)〜(4)などが有効と思われます。
(1) 解答への、対応する管理技術の盛り込み
口頭試験においては「それでは、今から経済性管理について質問します。」というように管理技術を指定しては質問されないので、質問があったらその内容に拘わらず、常に 5 つの管理技術のうちのどれに関連した質問かを判断し総合技術監理の視点から解答することが大切です。
例えば、「この 27.5kN/cm2 についてはどう思いますか。」という質問があったら、それに対する技術的解答をすると同時に、 5 つの管理技術のどれに関連して質問したのかを判断し、例えばその 27.5kN/cm2 が安全管理上問題だという意味で質問されているのであれば安全管理に関する意見を、品質管理上問題だという意味で質問されているのであれば品質管理に関する意見を、それぞれ可能な限り付け加えるのがよいと思われます。
(2)「総監の技術体系」の掘り下げ過程の明示
「総監の技術体系」を掘り下げ、深く学習することは総監技術士に求められる資質の1つですので、例えば、 (ア) 品質管理に関しては、「総監の技術体系」には記述されていないが、関連する国際規格である「ISO ○○」を読み、○○に関する先達の詳細な分析に頭が下がった、 (イ) 安全管理に関しては、「総監の技術体系」に記述されてはいないが、関連する法律である「○○法律」の全文を今回初めて読み、○○の点が今後の業務実施のたいへん参考となったなど、「総監の技術体系」の内容をさらに深める努力をしていることを示すことがきればたいへんよいと思われます。多くの方は「総監の技術体系」だけではなく何らかの文献や法令を紐解いて受験準備をしておられると思いますのでそのような材料は探せばいくらでもあるはずですので、その事実を述べ、掘り下げ過程を明示することが大切と思われます。
(3) 総合技術監理の本質を理解していることの提示
総合技術監理の本質を理解していることを自ら積極的に提示することが大変重要であることは、「総監講座記述式」の1.4.3、(2) と同様です。
(4)「総監の技術体系」の補足の提示
「総監の技術体系」は総監技術士が総合技術監理において行うべき内容を5つの管理技術として示していますが、実際に総合技術監理を十分に行うためには、同書に示されている内容以外にも多くの事項に取り組まなければなりません。例えば、顧客営業にも取り組まなければなりません。しかし、「総監の技術体系」は顧客営業を総合技術監理の重要な項目の1つとして取り扱っていません。新規人材の獲得、組織の立ち上げと改善なども同様です。
しかし、多くの技術者はこのような内容を実際には日常的に行っているはずですので、あくまで口頭試験の流れ中で必要に応じてですが、総合技術監理を十分に行うために必要な項目は「総監の技術体系」が示すものだけではないことを十分認識しかつ実践していることを提示することは総合技術監理をよく理解していることを示すために有効であると思われます。

「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」の更新と訂正 2016年版

4.3 満点の四方山話による応答

 口頭試験ではまるで四方山話のような突拍子もない質問を受けることがときにあります。このような質問は、少し毛色の違う質問をして総合技術監理の知識・経験に関する実力のほどを確かめようという意図による場合もあると推測されますが、受験者の本質的力量を見ようという意図による場合もあると推測されます。
 3.2、(ア)〜(キ)のようなことは程度の違いはあれ技術者であれば誰もが日常の業務において常に行っていますが、それを高い水準で行うことができるか低い水準でしか行うことができないかはその技術者の問題発生の危険性を事前に洞察する力、発生した問題の最良の解決方法を瞬時に見極める力、新しいものを創造する力、組織を統率する力、人を引きつける人間的魅力など(つまり、1言で言えばその技術者の本質的力量)に大きく依ることは論を待たないところです。したがって、総合技術監理を高い水準で行うためには自らの本質的力量を向上させることが何より大切であることもまた論を待たないところです。
 したがって、ある技術者を総監に合格させるに相応しいか否かを判定するためには本来的にはその技術者の本質的力量を判定することが必要ですが、現状では総監の筆記試験は総合技術監理に関する知識・経験の判定をもってこの本質的力量の判定に代えており、この辺りは総監の筆記試験が持つ根本的な矛盾です。あるいは、総監に限らず筆記試験一般が持つ根本的な矛盾とも言えます。四方山話のような質問はこの矛盾を少しでも解消して受験者の本質的力量を見極めることによって真に優秀な技術者を合格させようという総監試験本来の意図でなされる場合もあると推測されます。
 したがって、四方山話のような質問を受けたときには、間髪を入れず瞬時に、総合技術監理と専門技術の知識・経験でほんの少しだけ味付けをして、本質的力量の問題も十分考慮して、満点の四方山話を返すのがよいと思われます。四方山話に手間取っているようでは総合技術監理など夢のまた夢だと思われかねないので、間髪を入れず瞬時に返すことが大切です。また、質問の内容にぴったり合致した四方山話を返すことが大切です。このような場面では、試験委員は解答に示される総監や専門の知識・経験には全く興味がなく唯ただ受験者の本質的力量を見ていると思われます。四方山話の形をした、試験委員との真剣勝負です。

4.4 他部門と共通の事項

 上記のほか、解決応用問題への対応については他部門と共通する事項もたくさんあります。そのような事項については 「第二次講座口頭」の4 を御覧ください。

5. 他部門と共通の全般的留意点(不合格の回避)


 上記のほか、口頭試験の全般的留意点(不合格の回避方法)については他部門と共通する事項もたくさんあります。そのような事項については 「第二次講座口頭」の6 を御覧ください。


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